同伴者全員に了承を得れば問題ない
ホールごとに多種多様な特徴を持ってるゴルフコース。距離も100ヤード台の短い「パー3」から、500ヤード以上の長い距離を要する「パー5」まであり、さらにはバンカーや池、激しい起伏などプレーヤーを苦しませる関門も設置されています。

各ホールの特徴を理解したうえでプレーできる上級者は淡々とこなしてラウンドを進めていきますが、コースデビューしたてのビギナーであれば、あまりの難しさに萎縮してしまうこともあるでしょう。
特に大きな池や谷を越えなければならないホールは、「ボールをなくしそうだし、このホールはできればスキップしたい…」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、そのようなことは可能なのでしょうか。
ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「一緒に回っている同伴者に了承を得て、グループ内で意見が一致すれば途中のホールを飛ばすことは何ら問題ありません」
「スキップする際は『私はビギナーであまりにも難しそうなので、このホールはスキップさせてください』と申告すれば大丈夫だと思います。そして、当該ホールのスコアは規定打数の2~3倍の数字をつけるなどして、適宜対応すればいいでしょう」
また、ホールをスキップしてラウンドを進めることは、ゴルフにおける本来の意義にも沿っていると飯島氏は話します。
「日本ではスコア『100切り』にこだわる人が多いですが、アマチュアの間ではストローク数を争う『競技ゴルフ』にする必要はあまりないのです。ゴルフ発祥の地であるスコットランドでは、スコアカードも2名分のスコアしか記入できず『マッチプレー』であることを重んじています」
「要するに『何打で打てたか』ではなく、単純な勝ち負けだけを求めているので、『ブッシュ(茂み)に入ってしまったからこのホールはやめにしよう』などと簡単にコンシードしてもいいのです」
スロープレーが続いている場合もスキップの検討を

ほかにも、スロープレーが続いたことで後ろの組に迷惑をかけてしまいそうになった場合もスキップは行うべきです。
一般的に、ハーフを2時間15分で回ることが目安とされていますが、ショットがなかなか定まらないビギナーにとっては大きな壁です。ゴルフ場全体のラウンドスピードを勘案すると、途中のホールを諦める決断も時には必要になります。
そして、次のホールに移った時に、まだ前の組のプレーヤーが全員ティーショットを打ち終えていない場合は、ティーイングエリアに横付けするのではなく、視界に入らない後方で待つようにしましょう。
あまりにも近づきすぎると、相手側がスロープレーであおられていると勘違いしてしまう可能性があるため、誤解されないためにも適切な距離感を保つことが大切です。
ゴルフ場でプレーする際は、9ホールまたは18ホール全てを回れたほうが充実感を味わえるかもしれません。
しかし、難しいホールを無理にプレーしたことが原因でスロープレーに陥り、他のゴルファーに迷惑をかけてしまっては本末転倒です。自分自身のスキルを見定め、前後組やゴルフ場全体への影響を考えて臨機応変に対応することが、重要であると言えるでしょう。