カートが故障したら携帯電話でゴルフ場に連絡する
今や、ゴルフ場になくてはならない存在となっているのが「ゴルフカート」です。重くて持ち運ぶのが大変なキャディーバッグを、1組ぶん積み込めるだけでなく、飲み物やボールなどのアイテムを収納するホルダーなど設備が充実しています。屋根もついているので、突然の大雨の時には簡易的な避難場所にもなります。

かつてはエンジン式が主流でしたが、近年では静音でより環境への負荷がかからないバッテリー駆動のものも増え、ゴルフ場によってはリモコン操作が可能なタイプも採用されています。
進化を遂げているカートですが、プレー中に何らかの故障やトラブルに見舞われる可能性は十分にあります。
では、ラウンド中にカートが故障してしまったら、どのように対応すればよいのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「現在は、携帯電話を肌身離さず持っている人が多いので、ゴルフ場に『今プレーをしている者なのですが、何番ホールでカートが故障して動かなくなったので、至急代わりのカートを手配してもらえますか』と電話をかけましょう」
携帯電話をラウンド中に持ち歩くべきかどうかは個人の判断に任されていますが、緊急事態が発生した時のことを考えると、外部とすぐに連絡できる手段を確保しておいた方が良いのかもしれません。
しかし、ゴルフ場のクラブハウス内には「マスター室」と呼ばれる、利用客のサポートを総合的に行う場所があります。マスター室に直接連絡するのはいけないのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「ゴルフカートの無線でマスター室に連絡することがベストですが、故障で使えないことも考えられます。ゴルフ場に電話をかけると、要件に応じて内部が綿密な連携を取れるような体制になっているので、マスター室に連絡しなくても早急に対応してくれるはずです」
ゴルフカートの事故は修理代を全額請求されることも
さらに、カート側が突然トラブルを起こすだけでなく、自らの操作ミスで故障させてしまうこともあり得ます。

たとえば、スピードを出し過ぎてカーブを曲がり切れないことや、不安定な場所に停車したことによる「横転事故」。パーキングブレーキを十分に踏み込まずに降りたことで、カートが下り坂を暴走して壁に衝突したり、最悪池に転落したりする事故もあります。
故意でなかったとしても、運転者の不注意や操作方法を前もってしっかり確認していないと、大事故につながりかねません。あくまでも「借り物」であるうえに高額な備品であるカートを壊してしまったらどうなるのでしょうか。
部品の一部が外れるなどの軽微な故障で、取り替えることが可能な範囲であれば、そこまでの重い責任に問われることは少ないです。ところが、車体が大破して完全に動かなくなったときや修復不能と判断された場合には、修理代の全額を請求されることもあるそうです。
ただし、ゴルフ場側に過失がある場合は、修理代の補填をしてもらえる可能性があります。
ゴルフカートは公道の走行はできないものの「車両」です。自分の車と同じように丁重に扱い、トラブルが起こったら素早く的確な対応を取ることが重要となります。