- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- 暖かくなってきたからって油断禁物! ラウンド中に潜む“ケガ”の危険性を現役整形外科医に聞いてみた
これから本格的な春を迎えますが、日常生活でも防寒対策はまだまだ欠かせません。ゴルフは屋外でプレーするスポーツである以上、体が冷え込むと思うようなプレーができなかったりケガにつながる恐れもあるため、正しい知識と対策を知っておくことが大切です。
こまめにストレッチをして体を冷やさない心がけが大切
春が近づくにつれて気温の上昇が見込めるとはいえ、防寒対策はまだまだ必須。1日のほとんどの時間を屋外で過ごすゴルフとなれば、最高のパフォーマンスを発揮するためにもより気を配る必要があります。
では、具体的にはどのような点に意識を向けるべきなのでしょうか。自身もゴルフをプレーする整形外科医の北城雅照氏は、以下のように話します。
「気温が低い環境下でのラウンドは筋肉を痛めてしまうリスクが高まります。寒くなると体の熱を逃さないために、筋肉を収縮させて体温を上げようとする働きが起こるのです」
「そうなると筋肉の柔軟性が低下してしまい、傾斜を小走りした際などに張力がかかることでアキレス腱(けん)が切れてしまう恐れも。また、クラブを振ると筋肉が肩に引っ張られる形になってラウンド中に肩を痛めたり、最悪の場合は筋肉が切れてしまうことも考えられます」
「今の時期は朝の気温もまだまだ低いので、スタート前にはストレッチをしたり少し歩いたりして、体を徐々に温めていくことが大切です。筋肉がつらないようにするためには水分を取ることも有効なので、合わせて白湯(さゆ)やお茶などの温かいものを飲むのもいいでしょう」
1ラウンドのプレー時間は混雑している週末や休日であれば5時間ほどかかることも珍しくありませんが、一方で体を“動かさない”時間が多いのもゴルフの特徴です。北城氏は「一度温まった体を冷やさないようにしてください」と注意喚起を促し、以下のように話します。
「スタート前に体を十分温めたとしても、カートに座っている時間が長くなってしまえば筋肉も次第に固まってしまいます。そのような状況でのスイングはケガのリスクが高いため、こまめにストレッチなどをして常に体を動かしておく意識が大切です」
「また、ゴルファーの中にはラウンド後のビールを何よりの楽しみにしている人もいるでしょう。しかし、ラウンド後は『ストレッチをする』『お風呂に入って体を温める』『タンパク質が多く含まれている肉や魚を取る』ことを特に意識してほしいですね」
「さらに、腰や脚に痛みを感じるのであれば、あまりお酒は飲まないようにしてください。炎症が起きているケースが多いため、湿布を貼って安静にすることが重要です」
状況に合わせて体温調節ができる服選びを
北城氏は続けて「ラウンド中は状況によって体温調節ができる服を持ち運ぶことも必要」と言い、次のように話を続けます。
「スイングになるべく支障をきたさないよう、薄手で防寒性が高いものを着用しましょう。近年は発熱性のある高機能インナーが多く売られているので、下に必ず1枚着るのがオススメです」
「とはいえ、ゴルフは体を動かさない時間も多いため、普段使いしているような厚手のダウンジャケットなども持っておくのがいいと思います。『打つときは脱ぐ』『打たないときは着る』といったように、状況に合わせて体温調節ができるようにしてください」
「また、グリップを握る手がかじかんでしまわないよう防寒グローブを装着したり、カイロをポケットに入れておくのも有効です。私の場合はそれらに加えてイヤーウォーマーを使用しています。冷たい空気が耳の中に入るのを防ぎ、顔や首の筋肉が動きにくくなることを予防できるのです」
まだまだ寒さが身に染みるこの季節。防寒対策を怠ってしまえば、思うようなプレーができなくなるだけでなく日常生活に支障をきたすケガを引き起こすことも。
徐々に暖かくなってきたとはいえ油断は禁物です。どんな環境であれ最高のパフォーマンスを発揮するするためにも、万全の対策をしてラウンドに臨む心構えが大切であると言えるでしょう。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking