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- エアレーションなどメンテナンス時期に影響あり! ゴルフ場にとって暖冬はいいことなの?
暖冬の影響もあり、冬でも快適にゴルフができる日が明らかに増えている昨今。ゴルファーに取ってはいいことづくしの「暖冬」ですが、ゴルフ場側にはどのような影響があるのでしょうか。
営業できるし除雪もしないのでメリットの方が多い
2024年の冬は短期的に大雪が降った地域もありましたが、全体的には暖冬でした。気象庁は2023年12月から2024年2月の平均気温が平年より1.27度高く、1898年の統計開始以来、2020年シーズンに次いで2番目の暖かさだったと発表しました。
近年は冬場のゴルフ場に行っても、ティーイングエリアにティーペッグが刺さらないことはあるものの、グリーンが凍っていることは少なくなり、以前よりも快適にプレーが楽しめるようになりました。
ゴルフ場にとって暖冬はいいことなのでしょうか。それともデメリットもあるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「暖冬はゴルフ場にとっていいことですね。ウチのゴルフ場は例年ですと2月に雪が降ることがありますが、今年はほとんど降りませんでしたから、土日にセルフ営業を実施して多くのお客様が来場してくださいました」
「ゴルフ場は冬場の売り上げをあまりアテにはしていないのですが、営業できれば売り上げが立ちますから、悪いことは一つもありませんね」
「強いてデメリットを挙げるとすればコース管理の問題があるかと思い、グリーンキーパーに聞いてみましたが、グリーンキーパーも暖冬はいいことだといっていました」
「コース管理も暖冬であれば除雪をしなくていいですし、配管工事や樹木の伐採などの作業ができますから、メリットのほうが大きいとのことでした」
芝生の養生の面では補修に時間がかかるというデメリットもある
一方で、コース管理上のデメリットとしては、フェアウェイの補修に時間がかかることを挙げていました。
「ゴルフ場に雪が積もると、かまくらのような断熱効果が発揮されて芝生の養生にはとてもいいらしいです」
「雪が積もらずに営業できると、営業面ではプラスになりますが、お客様が毎日ターフを取りますから、芝生にとっては過酷なコンディションになります」
「フェアウェイの芝は冬の間は枯れていますから、ターフを取った後に目土をしても元には戻りません。春になると休眠から目覚めますから、そのタイミングで補修作業を行ないますが、暖冬だと補修箇所が多くて時間がかかるそうです」
また、暖冬だとグリーンの更新作業(エアレーション)にも影響を及ぼします。グリーンの芝生は冬の間、ゴルファーの足で毎日踏み固められていますから、春の目覚めの前に固まった土壌をほぐし、水や酸素を吸収しやすい状態に戻してあげる必要があります。
更新作業は畑で作物を育てる前に土を耕すのと一緒です。土の中に空気を含ませると、酸素が行き届いて土壌の微生物が活性化するので、芝生がのびのび育つことができます。開始時期は土の中の温度が15度以上になるタイミングが最適といわれています。暖冬だと例年よりも早い時期に土の中の温度が15度以上に達しますから、今年は全国のゴルフ場で更新作業の開始時期が早まる可能性が高いです。
グリーンのコンディションを維持するために必要不可欠な更新作業ですが、ゴルファーにとって喜ばしいことではありません。グリーンの表面に穴を開けて砂を撒きますから、ボールの転がりが極めて悪くなります。
スコアにこだわるゴルファーは更新作業中のゴルフ場でプレーすることを意図的に避ける人もいます。ゴルフ場も以前は更新作業の開始時期を公表しないのが一般的でしたが、近年は来場者の要望を受けて更新作業のスケジュールを公開する施設が多くなっています。
せっかく暖かい日が増えてきてゴルフに最適のシーズン到来と思いきや、グリーンが更新作業中という憂き目に遭わないためには、予約前にゴルフ場のホームページやSNSをチェックすることです。ホームページやSNSで更新作業のスケジュールを公開していなくても、電話で問い合わせれば教えてくれる施設もあります。
今年は暖冬だったので、例年よりも更新作業開始時期が早いかもしれないということは頭の片隅に入れておいたほうがよさそうです。
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