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ゴルフライフ

通常のゴルフボールより小さい「スモールボール」って見たことある? 30年ほど前まで使われていたって本当!?

2024.05.10 ピーコックブルー
ゴルフボール

現在、ゴルフボールの直径は世界共通となっていますが、かつては「スモールボール」と呼ばれる今より小さいボールもあったそうです。どのようなものだったのでしょうか。

飛びやすいが危険な面も? 時代に翻弄されたスモールボール

 ゴルフボールには、飛距離を重視した「ディスタンス系」やコントロールのしやすさに長けた「スピン系」など、ゴルファーのニーズや特性に合わせたさまざまな種類があります。

現在では、ゴルフボールの規格は直径42.67ミリメートル以上と定められている 画像:AC
現在では、ゴルフボールの規格は直径42.67ミリメートル以上と定められている 画像:AC

 しかし、どのボールも「直径は42.67ミリメートル以上、重さは45.93グラム以下」と、世界共通の規格が定められています。

 対して、昔販売されていたゴルフボールには「スモールボール」と呼ばれる、現在よりも小さなボールもあったそうなのですが、一体どのようなものだったのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「確かに、かつてゴルフボールには2種類の大きさが存在し、それぞれ『ラージボール』『スモールボール』という名前で分けられていました。同じブランドでも2つから選べたので、実際に私もゴルフ場の売店や用品店などでボールを購入する際、店員さんから『ラージですか?スモールですか?』と声をかけられたことを覚えています」

「スモールボールは、ラージボールと比べておよそ1.5ミリメートル直径が小さく作られており、表面積が小さく空気抵抗が減少することで、飛距離が出やすいという特徴がありました」

「しかし、時代とともにクラブの性能が向上し、ラージボールでもスモールボールと同等以上の飛距離が出せるようになりました。また、飛び過ぎるとミスショットをした場合にコースから大きく外れやすくなり、周りのゴルファーに当たって打球事故に繋がりかねないことなども理由となり、1990年のルール改正によって使用の禁止が決定しました」

「また個人的に聞いた話では、飛距離を稼ぐためにドライバーショットの時だけスモールボールを使用し、あとはラージボールに替えてプレーをする人もいたようです。安全性を確保するとともに公平を期せるようにするという意味でも、ボールの直径は統一されたといえるでしょう」

「ゴルフボールの規格を定義づけて統一する動きは、1920年にスコットランドのセント・アンドリュースに本部を置くR&Aが『直径は41.15ミリメートル以上、重さは45.93グラム以下』と定めたのが始まりとされています。一方で、それから10年後の1930年にはアメリカのゴルフ団体であるUSGAが『直径は42.67ミリメートル以上、重さは45.93グラム以下』とする独自の規格を定めました」

「そして、R&A規格に則って作られた方が小さかったため『スモールボール』、USGA規格に合わせて作られた方は『ラージボール』と呼ばれるようになり、以後60年間にわたって世界には2種類の大きさのゴルフボールが混在する状態が続きました。しかし、スモールボールは安全性や公平性などの観点から問題視されるようになり、ついに1990年にR&AとUSGAが協議を行った末、規格はラージボール側に統一される運びとなり、試合でスモールボールを使用することは完全に禁止されたのです」

「ゴルフボールへの規制は現在も続いており、2023年12月6日にも、ヘッドスピードがおよそ55.88メートル/秒、スピン量が2220rpm(37 回転/秒)、打ち出し角が11度の条件下において、飛距離の最大限は317ヤード以内までとする旨を、2028年1月より適用すると決定されました。主な理由には『アマチュアでもボールを簡単に遠くまで飛ばせるようになり、レクリエーションとしてのゴルフに面白味が欠けてしまう恐れがある』といったことが挙げられるようです」

アマチュアは好きなボールを自由に使えばいい

 一方で、飯島氏は「ボールをはじめとした用具の規格に関しては、プロとアマチュアで切り離して考えるべき」と話します。

「もちろん、プロの世界では順位や賞金のランクなどにも関わってくるので、使用するボールやクラブといった用具の基準を全て統一しなければならないでしょう。ところが、アマチュアや単なる趣味でゴルフを楽しんでいる人たちに対しては、ゴルフの面白さをより広げるためにも、あまり規格でがんじがらめになる必要はないと思っています」

「たとえば、ゴルフボールにも反発係数をあえて高くして普通のボールよりも遠くへ飛ばせる『非公認球』があります。公式のルールに即していないので遊びの域を超えない反面、そのようなボールを使ったゴルフが仲間内で楽しめるのであれば、非公認だからと言って絶対に禁止する必要はないでしょう」

 近代ゴルフの黎明期、ゴルフボールは羽毛を皮で丸く包んだだけの非常にシンプルなものでした。材質や内部構造などにおいて様々な研究が繰り返された結果、現在の形へと進化していったのです。同時に大きさの基準も変化を遂げてきましたが、スモールボールはゴルフボールの発展の中で生まれた、重要な存在といえるかもしれません。

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