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- カップが小さく見えるのは「コロナ禍」が原因!? ウサギの巣穴が使われていた時代も… 今の大きさになった理由とは?
ゴルフ場のカップはいわば各ホールの「ゴール地点」ですが、ほかのスポーツのゴールと比べると圧倒的に小さいです。では、実際にはどのくらいの大きさなのでしょうか。
基本的にカップの直径は4.25インチ
ゴルフは短めのホールでも100数十メートル、長いホールに至っては500メートル超という、スポーツの中では桁外れに規模の大きな競技場でプレーを進めていきます。
しかし、各ホールのゴール地点として存在する「カップ」は、同じくゴールがあるサッカーやバスケットボールなどと比べてはるかに小さいです。
では、グリーンのカップの大きさは実際にはどのくらいの大きさなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「グリーンのカップの直径は、4.25インチ(108ミリメートル)と国際ルールで決められているので、パブリックコースやメンバーシップコースに関わらず、世界中のゴルフ場のカップは全て同じ直径にそろえられています。19世紀後半にゴルフが近代的な競技として成立する以前まで、カップはスコップで適当に掘っただけの穴や、ウサギが巣作りのために掘った穴がそのまま使われていました」
「そのため、プレーヤーに踏まれたり雨風にさらされ続けると、すぐに形が崩れてしまうことが問題視されていました。そこで、全英オープンの会場であるスコットランドのセント・アンドリュースリンクスでコース管理をしていたオールド・トム・モリス(本名:トーマス・ミッチェル・モリス)は、水道管を手ごろな長さに切断し、穴にはめ込めば形が安定することに気が付いたのです」
「そして、ゴルフ場の所在地であるセント・アンドリュース市で使用されていた水道管の直径が『4.25インチ』だったので、これが現在のカップの直接的な起源とされています。当時は、まだカップの大きさについては定義がされていなかったのでコースによってまちまちでしたが、水道管を活用したカップは型崩れしにくいと評判になり、ついには1891年にR&Aが『カップの直径は4.25インチに定める』と正式にルール化しました」
ちなみに、カップの原型が誕生した19世紀後半から現在まで、セント・アンドリュース市内で使われている水道管の直径はずっと4.25インチのまま変わっていないそうです。
小さく見えることがあってもただの錯覚?
しかし、カップの大きさはどこのゴルフ場でも共通なのにも関わらず、小さく見えるような錯覚を覚えることがありますが、なぜなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「まず、ここ数年の間でカップの深さが少し浅くなったことが原因として考えられます。本来の正式な競技では、カップの深さは『少なくとも4.0インチ(101.6ミリメートル)以上でなければならない』と決められています。ところが、新型コロナの感染が拡大して不特定多数の人が触れる部分への接触機会をできるだけ少なくしなければならなくなったため、カップについても底上げをしてボールがすぐに取り出せるようになり、結果的に離れたところから見ると小さくなったと錯覚しやすくなったのでしょう」
「また、カップは地中に埋められるようにはめ込まれていますが、カップの縁の高さは地面と同じではなく必ず1インチ下げた箇所まで入れなければなりません。トーナメントでは、1インチ分の土が露出しているところはスプレーなどで白く塗っている場合が多いですが、通常営業の際は手間を考えて白塗りをせず、土本来の黒色のままになっています。白は膨張色なので、遠くからでも視認しやすいうえに大きく見えますが、反対に黒は収縮色に該当するため視認性が劣って小さく見えるというのも理由の一つとして考えられます」
「さらに、2019年のルール改正ではパッティング時にピンを抜かなくてもいいとされましたが、人によってはピンが刺さったままの状態ではピンとカップの縁の間を狙うようで窮屈さを感じ、カップが小さく見えるのかもしれません」
しかし、カップの大きさはどのゴルフ場も一緒なので、落ち着いてパッティングをすることが大切です。どうしても打ちにくさを感じる場合は従来通り、ピンを抜いてプレーするのもいいでしょう。
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