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VENTUS一強に待った? USTマミヤ「LIN-Q PowerCore BLUE」は“安定感最強クラス”の逆輸入シャフトだった
USTマミヤの新シャフト「LIN-Q PowerCore BLUE」を試打検証。263CPMの高い振動数ながら硬さを感じにくく、優れた安定性を発揮。逆輸入系シャフトの新たな選択肢として注目の1本です。
良い意味で数値と感覚がズレるシャフト
今回紹介するのは、USTマミヤ(以下、マミヤ)から今年2月に発売された「LIN-Q PowerCore BLUE」(以下、パワーコアブルー)です。

そもそもLIN-Qブランドは、PGAツアー向けに開発された、いわゆる“逆輸入シャフト”です。また、マミヤの代表ブランドであるATTASとはターゲットゴルファーが異なります。
本記事では、その違いも含めながら、実測データや打感をもとに詳しく解説していきます。(文・クラブフィッター・石井建嗣)

まず、実際に測定した5S(50g台S)の振動数と、3球の弾道・計測値について触れます。測定条件は長さ45.5インチ、ヘッドはピン「G440 MAX」で重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。
振動数は263CPMでした。本記事を含め、これまで紹介してきた5本のシャフトの中で最も高い数値です。冒頭でATTASブランドとは別物だと説明しましたが、ベンチマークとしている同社のV2が255CPMだったことを考えると、この数値にも納得できます。

ただ、面白いのは実際に打ってみると、その数値ほどの硬さを感じないことです。もちろん263CPMという振動数を把握したうえで試打しているため、多少の先入観はあったかもしれません。それでも、ほかの260CPM超のシャフトと比べると圧倒的に軟らかく感じました。
ちなみに、後日紹介予定の初代LIN-Qシリーズの同色モデル「LIN-Q BLUE EX」は、パワーコアブルーより振動数が低いにもかかわらず、体感的にははるかに硬く感じます。これは私だけでなく、複数の識者も同様の評価をしているため、間違いないでしょう。
軟らかく感じる理由は、手元側の剛性の低さにあります。カタログ上ではミッドハイ、つまり中元調子に分類されていますが、マミヤが公表している剛性イメージでは、手元が最も軟らかく、先端に向かって徐々に硬くなる設計です。
そのため、切り返しからダウンスイングにかけてヘッドの位置を感じやすく、タイミングが取りやすいシャフトに仕上がっています。一方で、振動数の高さが示すように決して振り遅れるタイプではありません。良い意味で数値と感覚がズレており、安定した球筋を生み出しやすいシャフトといえます。
実際に私の試打データを見ても、安定感は抜群です。正直、これまで試したどのシャフトよりもブレが少ない印象でした。方向性だけでなく、打ち出し角やスピン量にも統一感があり、安心して振り切ることができます。
ただし、一撃の飛距離を追求するタイプのシャフトではありません。そもそも逆輸入系シャフトは、ある程度ヘッドスピードのあるゴルファーが安定してボールをコントロールできるよう設計されているものが大半です。その前提を理解したうえで試打することをおすすめします。
総じて、ヘッドの位置を感じながら安定した弾道を打ちたいハードヒッター向けのシャフトといえそうです。軟らかく感じるとはいえ、振動数はかなり高めです。フレックス選びを誤ると、このシャフト最大の魅力である安定感を損なう可能性があります。
また、5Sで58グラムと重量も重めです。普段使用しているモデルよりワンランク軽い重量帯も含めて試打してみることをおすすめします。
VENTUSの牙城を崩せるか

マミヤが公表しているLIN-Qシリーズのポジションマップにおいて、パワーコアブルーはシリーズのど真ん中に位置付けられています。
ただし、何度も述べているように、LIN-Qシリーズは逆輸入シャフトです。一般的に逆輸入シャフトは捕まりを抑えた設計が多く、パワーコアブルーも例外ではありません。マミヤのラインアップでいえば、「捕まえて飛ばす」のがATTASシリーズ、「安定させる」のがLIN-Qシリーズという棲み分けになります。
アマチュアにはEXシリーズ以上の可能性
ここで少し他社に目を向けてみましょう。現在、逆輸入シャフトの王者といえば、多くのゴルファーが思い浮かべるフジクラの「VENTUS」です。
初代モデルは2020年に国内発売され、その後TRシリーズや24シリーズなど数多くの派生モデルが登場しました。いずれも3色展開で、それぞれ異なる弾道特性を持つことが特徴です。
一方、LIN-Qシリーズも国内では同様に3色展開を採用しています。2023年に「LIN-Q BLUE EX」が発売され、その後WHITE、REDがラインアップに加わりました。
メーカーへの忖度なく言えば、EXシリーズはVENTUSの牙城を崩せませんでした。もっとも、私個人としては「EXシリーズが劣っていた」のではなく、「VENTUSが強すぎた」という認識です。
しかし、今作のパワーコアブルーには大きな可能性を感じています。シャフト性能の優劣を語るつもりはありませんが、少なくとも多くのアマチュアゴルファーは、EXシリーズよりも振りやすいと感じるはずです。
もしネームバリューだけでVENTUSを選んでいるのであれば、一度パワーコアブルーを試してみてください。結果次第では、これまでのシャフト選びの基準が変わるかもしれません。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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