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- フェアウェイの黄色い旗ってなんの意味があるの? IPポイントの「IP」の意外な由来とは?
パー4やパー5のフェアウェイに黄色い旗が立っていることがよくありますが、一体どのような意味があるのでしょうか。
本来はコース設計のためのもの
グリーンのピンフラッグ以外にも、パー4やパー5のホールのフェアウェイには、フェアウェイの中心付近に黄色い旗が取り付けられていることがあります。
あの旗はどのような意味があるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)に聞きました。

「あの旗は『IPポイントがどこにあるのか』を示すための目印として立てられるのが本来の目的です。IPとは『Intercross-secition Point』という測量用語の略で、日本語に言い換えると『平面上の2つの直線が交差する点』となります」
「ゴルフ場は、コースのデザインが決まって実際に建設に取り掛かる際、ティーイングエリアから2打目を打つ地点と、2打目を打つ地点からグリーンまでのそれぞれの区間を直線で繋げて測量を行う必要があります。IPポイントは、その2本の直線がちょうど交わる『おおよそ2打目を打つ最適な場所の目安』という意味があります」
「バックティーを起点として、昔は220~240ヤード付近に設置されていたことが多かったですが、最近はクラブやボールの性能が向上してより飛距離が出るようになったので、260~280ヤード付近に設定されるようになりました」
「また、IPポイントの旗はパー4の場合はティーショットの落下地点と2打目を打つ地点として1つ設置されますが、パー5の場合は距離が長くなるので2打目の落下地点と3打目を打つ地点として、もう1つ付いている場合もあります」
そのため、フェアウェイの旗はコース設計をしていく際に空想上の2打目、3打目を打つ場所として適している場所を示す「待ち針」のような役割を果たしていると捉えることができるでしょう。
旗に向かって打っていけばOK
また、飯島氏はIPポイントの旗は実際のラウンドでもコースマネジメントの判断材料に使えると話します。
「かつては、キャディーを同伴してラウンドするのが一般的だったため、次のショットはどこを狙うべきかを、キャディーがその都度教えてくれていました。しかし、現在はセルフプレーで回るのが大多数となっているため、あまりラウンド経験の少ないゴルフ場では、ティーショットやセカンドショットをどこに向かって打つのが効率が良いのか分からなくなることもしばしばあります」
「カートのナビゲーションを使えば各ホールの形状や概要はある程度把握できますが、あくまでも平面でしか表示できないので、実際に見てみないと細かな地形を読み取れないことも多いです。そこで、IPポイントの旗が参考になるのですが、旗に向かって打っていけば『王道中の王道』を通ることになるので、木やバンカー、池などの障害物に邪魔される心配も少なくて済むでしょう」
また、ゴルフ場によっては旗の代わりに吹き流しを取り付けているところもあり、風の方向や強さを判断する指標としても活用することができます。
フェアウェイの黄色い旗は、本来はコース設計に必要不可欠なものですが、その副産物としてゴルファーたちに攻略のヒントを与えてくれるものにもなっています。ですので、旗や吹き流しの位置を意識しながらプレーすると、スコアを安定させられるようにもなるかもしれません。
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