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- “夏バテ”したグリーンが回復しない!? 「四季」から「二季」になりつつある日本のゴルフ場で起こっていることとは?
9月に入っても夏場と変わらない気温が続いています。以前は秋にかけてコンディションが回復していた「洋芝」も、暑さの影響からかなかなかいい状態にはありません。酷暑が続く日本のゴルフ場では、どのようなことが起こっているのでしょうか。
猛暑と雷雨のダブルパンチでグリーンの芝生も夏バテ気味
今夏の猛暑はラウンド意欲を減退させるほど強烈でしたが、それでも何度かラウンドに行ってました。印象的だったのはグリーンの軟らかさです。ウェッジのフルショットで打ったボールがグリーンに着地した場所にそのままめり込んでいる場面をよく見かけました。
ゴルフ場関係者に話を聞くと、グリーンが軟らかいのは猛暑の影響だけでなく、夕方から深夜にかけて雷雨になることが多く、芝生の根っこがスポンジのような状態になってしまうことも原因だそうです。芝生を枯らすことなく緑色のグリーン面を維持するのが精いっぱいとのことでした。

筆者がよく行くゴルフ場は良心的な料金の大衆コースですから、トーナメントコースのように硬くて速いグリーンなんて望めません。上りのパットをめちゃめちゃ強くヒットしてもカップに届かないのは、もはや夏ゴルフの風物詩になりつつあります。
下りのパットは水分を含んでいるときには上りと同じくらい遅いのに、直射日光を浴びて表面が渇き始めると急に速くなるのが悩ましいところです。ただ、アマチュアのエンジョイゴルフはパッティングの1打で賞金が大きく変動するわけでもないので、パットが外れてもどうってことはありません。それ以前にパットを入れたければもっと練習しなさいという話です。
プロゴルファーを取材していると、「ゴルフのスコアの50パーセントはパッティングとアプローチなのだから、アマチュアの方も練習時間の半分はパッティングとアプローチに費やしてください」とよくいわれます。
それは頭では分かっていますし、トーナメント会場でも遅くまでパッティンググリーンに残っている選手たちが毎週上位争いしていることも知っています。
逆にいうと、プロがそれほどまで練習し、ツアーキャディーと力を合わせてラインを読んでも、入らないときは入らないのがパッティングの難しいところです。
シングルハンディを目指すのであればパッティング練習は必修科目ですが、アベレージゴルファーはプレーするコースによってグリーンのコンディションが全然違うので、練習を後回しにしてしまうのは仕方がないことかもしれません。
秋以降も近年はコンディション維持が難しくなっている
グリーンのコンディションの話に戻しますと、近年は夏場に受けたグリーンのダメージが9~10月ごろまで残るケースが目立つようになりました。
日本の気候はこれから“四季”ではなく“二季”になると警告する人がいますが、実際に9月以降も気温30度を超える日が続き、10月以降も台風上陸や豪雨災害が毎年のように起こっています。そうすると夏バテした芝生が9~10月も回復せず、11月ごろになってようやく本来の芝生の密度が戻ってくるというサイクルになります。
多くのゴルフ場のグリーンで採用されているベント芝は元々、寒地型の西洋芝なので夏に弱いのは昔から分かっていました。ただ、暖地型の日本芝と比べてボールの転がりが圧倒的に滑らかなので「日本のゴルフ場で使いたい」という熱意を持った人たちが夏用のグリーンと冬用のグリーンを別々に用意する日本独自の2グリーンという手法を編み出したり、品種改良を重ねてベント芝を導入してきました。
しかし、それもすべて日本の気候に“四季”があるときの話です。これから“二季”に向かうとしたら、再び2グリーンに戻すか、ベント芝を諦めて暖地型の芝生に張り替えるか、ゴルフ場は真剣に考えるべきタイミングに来ているかもしれません。
コロナ禍でゴルフブームが起こり、若い人たちがゴルフを始めたのは喜ばしいことですが、ゴルフ場業界は2025年問題が間近に迫っています。2025年問題とは、ゴルフ人口の主軸を担ってきた団塊の世代(1947~1949年生まれ)がゴルフをやめてしまい、ゴルフ人口が一気に減ると予想されているのです。
ゴルフは老若男女が楽しめるスポーツといわれますが、80歳を過ぎると徐々にやめていく印象があります。団塊の世代は2025年に76~78歳を迎えます。その年齢でも元気にゴルフをしている人は世の中にたくさんいますが、何らかの事情でゴルフクラブを置かなければならない人たちが出てくる年齢でもあります。
毎年恒例となった猛暑ゴルフをしながらグリーンのコンディションを眺めていたら、2024~25年が日本のゴルフ場業界の次なる過渡期になりそうな気がしてきました。
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