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- 最近レストランが“バイキング形式”のゴルフ場が増えてる気がする… 何か理由はあるの?
ラウンドではハーフターンでランチを取りますが、プレー中から楽しみにしているゴルファーも多いかもしれません。最近はホテルの朝食のように、バイキング形式のスタイルが増えてきているようです。
ゴルフ場側も利用者側もメリットが多い
ゴルフのラウンドでは、前半の9ホールと後半の9ホールとの間にハーフターンを設け、クラブハウス内のレストランでランチを取ります。ゴルフ場のグルメを楽しみにしている人もいるでしょう。
最近では席についてメニューの中から選ぶのではなく、ホテルの朝食のようにバイキング形式になっていて、自分で取りに行くスタイルが増えてきているようです。
ゴルフ場のレストランで、バイキングが取り入れられるようになったのはなぜなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「一人ひとりセルフで取ってもらうバイキングスタイルは、ゴルフ場でも広まりつつあります。従来の方式と同じように、プレー料金の中に前もって含まれているのが基本です」
「このようなゴルフ場が増えている背景には色々ありますが、まず第一に『好きなものを好きなだけ食べられる』というバイキングならではの魅力を生かし、集客をアップさせて利益を上げることを目的にしています」
「特定の日に限定してイベント的にバイキングを実施している場合や、年間を通してずっとバイキングにしているゴルフ場もあります。後者の場合、食材を一括で購入して原価率を下げられるうえに仕入れも計画的になるので、フードロスの削減にもつながります」
「いずれにせよ『利用者側からの要望』というより、ゴルフ場側の運営に関する事情で導入しているケースが多く、『どこかのゴルフ場でバイキングをやったら評判が上がったらしいから、うちもやろう』という連鎖が起きて広まったのだと思います」
ゴルフ場のレストランは、1日当たり多くても200人程度しか利用しませんが、厨房に料理人が待機し、メニューに載っている全ての料理をすぐに提供できるよう、食材を用意しておく必要があります。これはゴルフ場側からするとかなりの負担です。
また、近年はコンペの縮小によるパーティー需要の減少やスループレーの浸透も相まって、一層レストラン経営は難しくなってきています。そのため、従来の方式では料理を1品頼むだけでも1500円以上かかるのが普通になり、ゴルファーへの負担増大も議論されています。
以上のような理由から、原価率も下げられて収益アップも見込める、バイキングを導入したゴルフ場が増えているのです。
ゴルフ場側は「配膳作業などに要するホールスタッフを最小減に抑えられる」そしてゴルファー側は「さまざまな料理から選べるので、同伴者の味の好みが分からなくても利用しやすい」といったポイントも、バイキングのメリットとして挙げられます。
「お得さ」をしっかり押し出す必要がある
しかし、飯島氏は「ゴルフ場でバイキングを導入する際には、少なからず懸念材料もある」と話します。
「今後、全てのゴルフ場でバイキングが実施されるかといわれたら、自分は『ノー』と答えます。というのも、バイキングを新たに導入したゴルフ場の多くが、若い世代やビジターもターゲットにした『カジュアル路線』にシフトチェンジした印象が強いのです」
「反対に『メンバーとの関係性をこのままにしていきたい』『レストランを必要以上にカジュアルな雰囲気にしたくない』と考えているところは、従来の方式で引き続き運営していくと思います」
「バイキングでは大皿に盛られた料理が少なくなってきたら新たに補充しなければなりませんが、そのスピードが遅いと大皿が空になりやすく、利用者の視点から見れば『充実感に欠ける』と思われてしまう可能性もあるでしょう」
「利用する側は『プレー料金にコミコミで種類豊富な料理を楽しめるのはお得』と考えているはずですから、満足度の高いバイキングを提供するためには、提供スピードを速くする計画性が求められると思います」
ゴルフ場のレストランがバイキングに変わっても、今までと同じように料理に力を入れることは変わらないはずです。バイキングの比較をテーマにして、さまざまなコースを訪れてみるのも面白いかもしれません。
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