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- シャフトの“走る”や“粘る”ってどういう意味なの? ビギナーにオススメな特徴や最新トレンドをレッスンプロに聞いてみた
ゴルフクラブを購入するうえで、シャフトは自分の特性に見合ったものを正しく選ばなければなりません。その基準として“フレックス”や“重さ”などに加え、“走り系”か“粘り系”かといった要素も非常に重要となってくるそうですが、一体どのようなものなのでしょうか。
シャフトの「しなり戻り」の指標としてたとえられる言葉
ゴルフクラブを購入するうえで、シャフトは単に「ヘッドとグリップを繋げるもの」というだけでなく、力をいかに効率よくヘッドまで伝えるかという役割を担っているため、自分の特性に合ったものを正しく選ばなければなりません。
そこで頻繁に取り上げられるのが“フレックス”や“重さ”などですが、それらに加えて“走り系”か“粘り系”かといった要素も非常に重要となってくるそうです。では、「走るシャフト」や「粘るシャフト」とは、どういったシャフトを指すのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「そもそも、シャフトはスイングの最中に3回ほどしなっていると認識している人もいますが、厳密にいうと実際は4回しなっています」
「まず1回目は、バックスイングでトップまでクラブを持ち上げてダウンスイングに入る瞬間です。そして、多くの人はそのままの状態でインパクトを迎えると思っていますが、実はダウンスイング中に遅れてきたヘッドがスイングのスピードに追い付き、元に戻ろうとする力で2回目のしなりが発生します」
「3回目は、インパクトの瞬間にかかるとされる数百キロ〜1トンの重さの影響で再びしなり、最後の4回目のしなりはフォロースルーの際にボールを前へ押し戻すときに起こります」
「要するに、一つのスイングの中で『しなったらその反動でまたしなり戻る』という往復運動が、2セット行われているということになります。シャフトは“走り系”と“粘り系”の2種類に大きく分かれますが、2回目と4回目の“しなり戻り”のスピードが速いものは『走るシャフト』、対してゆっくりなものは『粘るシャフト』と表現されるのです」
“走り系”や“粘り系”に聞きなじみがない人のなかには“先調子”や“手元調子”、“キックポイント”といった言葉なら聞いたことがある人もいるかもしれませんが、基本的にこれらは同じ意味で使われます。
走り系はいわゆる先調子系で、ヘッド側が軟らかくグリップ側が硬くなっています。一方の粘り系は、手元調子系と言い換えることができ、グリップ側が軟らかくヘッド側が硬く作られています。また走り系は“弾き系”、粘り系は“叩き系”と表現されることもあります。
なお、シャフト選びの基準の一つとされる“フレックス”もシャフトのしなりにかかわる事柄ですが、こちらは1回目と3回目(それぞれの往復運動の前半)に起こるしなり具合を“硬さ”で表したものという違いがあります。
最近人気なのは走り系だがビギナーは粘り系の方がいい?
では、どのような基準で走り系か粘り系を選ぶべきなのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「最近は“走り系”のシャフトが人気となっていますが、打ち出し角が上がって飛距離が出やすい反面、方向性に若干の難があるというデメリットも持ち合わせています。よって、ミート率に自信がある代わりに飛距離がなかなか伸びない人は走るシャフト、飛距離は出る一方でミート率があまり良くない人は粘るシャフトを選ぶのがオススメです」
「値段に関しては、走り系と粘り系でそこまで大きな差はないですが、内部に巻かれているカーボンシートが上質な方がよりはやくしなり戻りやすいことから、前者の方が平均価格は少し高く設定されがちです」
「なお、フレックスは『パターを除いた13本がすべて同じ方がいい』といわれることもありますが、飛距離はミート率が良くなって初めて伸びるものなので、特にミート率が低くて苦手だと思っているクラブには、粘り系のシャフトを使うといいでしょう」
また関氏によると、ビギナーはミート率が高くないにもかかわらず、飛距離だけを求めて走り系のシャフトばかりを使ってしまいがちだそうです。そのため、なおさら粘り系に注目してほしいとしています。
シャフトを選ぶ際、フレックスはかなり話題に取り上げられるので気にする人も多いはずですが、「しなり戻り」まで考えたことはない人が多いのではないでしょうか。走り系と粘り系のどちらが自分に向いているかを見極めれば、ミート率だけでなくそれに伴って飛距離も伸びるようになるでしょう。
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