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- 練習場でのコースボール使用はマナー違反より深刻な危険行為! 施設閉鎖もあり得る「絶対NG」な理由とは?
ラウンド中にキズがついて不要になったり、コースで拾ったボールを屋外練習場でこっそり打ったりしていませんか。「数球打つだけだから」という軽い気持ちかもしれませんが、実はマナー違反よりもはるかに深刻な危険行為なのです。屋外練習場はどこでも「コースボール使用禁止」となっているはず。その理由を説明しましょう。
「数球だけならいいだろう」は許されない
住宅地にある屋外練習場では、昔も今も多くの問題が起きています。ボールをなかなか打たずにら素振りや休憩ばかりするゴルファーがいて、打席待ちの時間がどんどん増えてしまうのは序の口です。

「教え魔」による被害やグループ練習で隣の打席の人に迷惑をかける、盗難事件など深刻なのに解決できていない問題は山積みです。近年、インドアゴルフレンジが増えてきていて人気ですが、そこを選ぶ理由としてスイング動画を客観的な視点で見たいという欲求以外に、ムダな時間の削減や不快なマナー違反者との遭遇を避けたいという思いもあるようです。
しかし屋外練習場にとって、それ以上に重大な問題があります。それは「コースボール使用禁止」を守らないゴルファーが絶滅しないことです。
「たった数球くらい別にいいだろ」と思って打っている人の大半は、ラウンド中にキズがついて不要になったり、古くなって性能が落ちたり、コースで拾ったボールを打っているはず。
ボール代の節約だったり、コースボールでの弾道を知りたいだけなのかもしれませんが、実は「本当に危険だから禁止している」という事実を理解していないのは残念なことです。
ネットの張替えや人身事故の危険性も高まる
屋外練習場では「レンジボール」と呼ばれるボールを貸し出しています。これは高価なコースボールを使うと、1球10円以下が主な相場というボール貸し出し料金(地域や練習場規模によって大きく異なる)では、利益が出せないという理由ではありません。
レンジボールはその耐久性の高さ以外にも、コースボールに比べてソフトなので低弾道になり、飛びすぎないようになっています。練習場の外に飛び出さず、ネットに当たっても衝撃が少なくて済むというメリットがあるのです。

「絶対にボールが出ない」ように張られているネットには、それでもレンジボールの衝撃が日々加わることで劣化は進んでいきます。そこに勢いが強いコースボールがぶつかると、ネットを突き破る危険性が高まります。
またコースボールは飛距離が出るので、パワーヒッターが打ってネット上部を越えてしまう可能性もゼロではありません。特に住宅地では、飛び出したボールが人に当たることが考えられるので、コースボールは絶対に使用してはいけないのです。
ネットを全面に張るためには、小さな屋外練習場でも1000万円以上かかるといわれています。一度、通っている屋外練習場のネットをよく見てみてください。ボールのサイズよりも非常に細かく丈夫なネットを使っているはずです。
また、あれだけの広さにも関わらず「重ね目」はあっても「継ぎ目」がほとんどないことにも気づかされます。超大型の屋外練習場でもない限り、ほぼ一枚でぐるっと練習場を包み込んでいくには、膨大なコストがかかることは想像に難くないはずです。
「コースボール使用禁止」を守らずに打ったボールがネットを突き破ったり、ネットの最上部を越えていったりすれば、ネット補修・増設どころか全面張り直しになるケースもあり得ます。加えて、近隣に対する損害賠償はもちろん、営業停止や施設の閉鎖につながったケースも実際にあるのです。
本人にとっては「たかが何球」のつもりでしょう。でもその1球によって、簡単に身近なゴルフ練習環境が失われてしまう、深刻な危険性があるのです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
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