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- 知って驚きの険しい道のり… “レッスンプロ”ってどうやってなるの? 「ティーチングプロ」はPGAの登録商標って本当?
ゴルフを学ぶ場で必要不可欠なのが「レッスンプロ」の存在です。では、人にゴルフを教えられるレッスンプロになるには、どのような過程を経ていくのでしょうか。
日本で最も主流なのはPGAの「ティーチングプロ」
ゴルフを学ぶ場で必要不可欠なのが「レッスンプロ」の存在です。では、人にゴルフを教えられるレッスンプロになるには、どのような過程を経ていくのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。

「まず、一般的にはレッスンプロやインストラクターと呼ばれることも多いですが、仕事内容は似ていても資格制度を設けている組織によって呼称は異なり、私が受けたPGA(日本プロゴルフ協会)が定めた資格では“ティーチングプロ”という名前で呼ばれています」
「PGAは、文部科学省が公認している日本で唯一のゴルフ団体で入会者数も多く、いわゆるゴルフの先生を目指している人たちの中でも、特に主流となっているかと思われます」
「ティーチングプロの資格を得るには、はじめに書類審査に合格する必要があり、通過者は実技の試験を行います。そして、一定のスコアを得られた人は実技審査合格者として、ルールやマナーなどに関する知識を問われる筆記試験や面接を受けます」
「さらに、その後は1年間にも及ぶB級講習会に参加することで、ゴルフを指導するための基礎を叩き込みます。また、講習会の中でもさまざまな検定があり、それらを全てクリアした人だけが“ティーチングプロB級取得者”として認められ、PGAに入会することができるのです」
ちなみに、書類審査では過去の競技成績をまとめた「履歴書」のようなものに加え、指定されたテーマに沿って800〜1000文字程度のレポートを提出することになっています。また、B級の合格率は年によって多少変動するものの、50%前後と言われているようです。
PGAのレッスンプロ資格は、1985年に発足した「インストラクター資格認定制度」に端を発し、2002年より現在の名称に変更しました。それと同時に、元々階級を4つとしていたものをA・B・Cの3階級制(2007年より2階級制に再編成) に改めたり、以降にも講習会の履修プロセスの改定が実施されたりしました。
2014年からは、PGAが公益社団法人に移行したのに伴って受講資格のオープン化がなされ、その年度に20歳に達する男性の受験が可能になりました。また、2020年度にはかつて存在した女子部が1974年にPGAより独立してJLPGAとなって以来、およそ46年ぶりに女性にも受験資格が与えられました。
なお、“ティーチングプロ”という名称はPGAの登録商標となっており、肩書きを見ればPGAの会員なのかそれ以外の方法でレッスンプロの資格を得た人なのか、見分けることができます。
ほかにもレッスンプロになる方法はあるの?
では、ほかにはどのようなレッスンプロになる方法が存在するのでしょうか。三浦氏は以下のように話します。
「まず、PGAでティーチングプロのB級を取得すると、晴れて生徒にゴルフを教える仕事ができるようになりますが、今度は働きながら“A級”を受験することによって、よりレベルの高いノウハウを身に着けた指導者へと成りあがれます」
「A級を取る際は、さらに別の実技テストや講習会、筆記試験などをクリアしなければなりませんが、ゴルフを教えるに留まらずゴルフ業界全体を引っ張る、非常に名誉ある仕事と出会える可能性も高くなります」
「ただ、私もそうだったのですが、ティーチングプロでA級を取るまでには相当な時間がかかり、大きく『実技や筆記を受ける年』『座学を受講してB級をもらう年』『A級に昇格する年』、そして『実際にA級に認められる年』の4つに分かれます」
「ですので、A級を目指そうとなると最低でも4年は見ないといけないのですが、これでもだいぶ短くなった方です。また、費用に関しても講習会に参加したり試験を受けたりするのに70万円近くを要し、さらに遠征費や宿泊費もプラスされるため、合計で100万円を軽く超えてしまうことも珍しくありません」
「実は、資格がなくてもスクールを開くことは可能であり、なかには資格を持たないでコーチとして働いている人や、PGAとは別のレッスンプロ資格を取得している人もたくさんいます」
PGAのティーチングプロ以外で有名なレッスンプロ資格には、女性に特化した「JLPGAティーチングプロフェッショナル会員」や、アメリカの「NGFプロインストラクター」、「USGTFレベルI~III」などがあります。
特に、USTGFが設けている資格は年齢や性別ごとに区分けがなされており、比較的取得するのが容易で世界中に有資格者がいるとされます。
レッスンプロになるまでの道のりは、難度の面で見ても費用の面で見ても、なかなか困難なものになっています。とはいえ、「ゴルフを仕事にしてみたい」と考えているならば、チャレンジしてみるのもアリかもしれません。
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