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- AIは人間にゴルフを教えられるか? 現役レッスンプロの見解は!?
最近では「人間の仕事を代わりに行うようになる」といわれるほどAIの性能は進化していますが、ゴルフのレッスンも今後AIが教えられるようになるのでしょうか。
現状でも大体は合っているが少し惜しいところも
ここ数年でAIの精度は驚くほど向上し、もはや「人間の仕事を代わりに行うようになる」ともわいれています。英会話のレッスンなどはAIが活用されるようになってきていますが、ゴルフはまだまだ人間のレッスンプロが活躍しています。

では、現在の技術でゴルフに関する質問をAIにすると、どのように答えるのでしょうか。まず、ゴルフを始めて間もないビギナーが抱きそうな素朴な疑問をChatGPTに聞き、返ってきた答えをレッスンプロの三浦辰施氏に見てもらいました。
まず「スライスやフックを直すにはどうすればいいですか?」という問いかけに対し、ChatGPTは「スライスの原因は、『フェースが開いてインパクトすることによってボールに右回転がかかる』、『スイング軌道がアウトサイドインになっている』などが挙げられます。修正方法としては、ストロンググリップで握って左手のナックルが2~3個見えるようにしたり、スイング軌道はインサイドアウトでテークバックで内側に引きすぎたりしないことが大切です。また、手だけで打とうとせず下半身からしっかり回転させることを意識しましょう」
「一方で、フックはフェースが閉じすぎた状態でインパクトを迎え、ボールに左回転がかかると起きやすく、インサイドアウトの軌道やグリップの握り方が強すぎるのが原因とされます。修正方法は、グリップをニュートラルに握るとともに、アウトサイドイン寄りの軌道を意識すると良いでしょう。また、アドレス時にフェースが左を向いていないかチェックすることも大切です(要約)」と返答しました。
これに対して、三浦氏は「『スライスの原因は、フェースが開いてインパクトしていることにある』とありますが、概ね間違ってはいないものの、どちらかというと右に飛び出す形になるので、少し相違はあるかなと思います。また、身体の回転を意識するよりもフォロースルーでクラブを返せるくらいになるまで、まずは腕主体でボールをつかまえるところから直していく方がベターでしょう」と指摘します。
「また、フックにおいては『インパクト時にフェースが閉じているから』としていますが、その状態だとフックではなく左への“引っ掛け”になるため、あまり原因として結びつかないのではというのが率直な感想です」と話しました。
続いて「最速で100切りを達成できる方法はありますか?」という質問をChatGPTに投げかけてみたところ、「例えば、パー72のコースの場合はボギー+ダブルボギーのペースで回ること、もしくは1ホールあたり5.5打以内で回ることを意識すると良いでしょう」
「次に、ドライバーではなくフェアウェイウッドやユーティリティを使って200ヤード以内のショットの安定感を高めたり、100ヤード以内のショットを磨いたりするとスコアは劇的に改善されます」
「さらに、3パットもスコアを叩いてしまう原因になるので、1m以内のパットを確実に沈めることを最重要とし、5m以上のパットに関しては『カップに寄せる』ことを念頭に置くようにしましょう」という回答になりました。
一方で、三浦氏は「ドライバーを使わないにしても200ヤードを出す必要は全くなく、ビギナーの場合フェアウェイウッドやユーティリティーなら150ヤード飛ばせれば十分です。また、グリーンに確実に乗せるショットは“100ヤード以内”ではなく、60~70ヤード以内まで範囲を狭めても大丈夫でしょう。そして、パッティングでは距離感を磨くために何をすべきなのかを、もう少し詳しく教えてほしかった」と付け加えます。
コースマネジメントを教えられるようになるのはまだ先?
では、今後AIが完璧にゴルフを人間に教えることができる日はやってくるのでしょうか? 三浦氏は以下のように話します。
「スイングの映像を撮影してAIに取り込み、膨大なデータを参考にしてその人の課題点を洗い出したり、理想的なスイングを手に入れるためにはどうすべきかアドバイスしたりするのは、十分可能だと思います」
「しかし、アンジュレーションや芝目、風の状況といった実際にコースに出てみないと分からない情報は、文字として表すことができたとしても、ゴルファーがしっかりイメージできるのかどうかは不透明です。ゴルフは自然条件に非常に左右されやすいですから、ただ真っすぐ飛ばせば良いというものではありません」
「ですから、ゴルフのレッスンという分野においてAIが活躍できる場面は、しばらくの間は打ちっ放しやインドアゴルフに限定され、リアルタイムに適切なコースマネジメントを導き出せるのは、もう少し先の話になるのではないでしょうか」
ゴルフ業界全体で見れば、コース管理やクラブ開発などでAIが導入されつつあります。対して、レッスンでは「ボールを遠くへ、まっすぐ飛ばす」力を身に着けることに関してはAIが活用できるものの、それだけでコースを攻略しスコアまで更新できるかどうかは、まだ未知数といえるかもしれません。
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