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- 売上チャンスを逃している? ゴルフ場レストランが一般開放できない“本当の理由”
ゴルフ場レストランをノンプレー客にも開放する動きが一部で広がっている。集客やコスト削減、新規ゴルファー創出の可能性がある一方、混雑や人手不足、立地など課題も多く、実現できるコースは限られそうだ。
ノンプレーの人や地元住民にも開かれた存在であるべき?
ゴルフ場のクラブハウス内にあるレストランは、ハーフターンで戻ってきたゴルファーにランチを提供する場として機能しています。裏を返せば、それ以外の時間帯は閉まっているケースが多いのが現状です。
また、ゴルファー以外は基本的に利用できない点も、少々もったいなく感じる人がいるかもしれません。今後、営業時間を延ばしたり、利用できる対象者を広げたりする動きは高まっていくのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、次のように話します。

「ゴルフ場のレストランは、プレーをしに来たゴルファーが休憩するための場所、というのが従来の考え方でした。しかし最近では、ノンプレーの人にも対象を広げることを目指すゴルフ場が増えつつあります。
というのも、ターゲットをゴルファー以外にも広げることで、さまざまなメリットが期待できるからです。
まず、ノンプレーの人まで受け入れるようになれば、提供できる料理数が相対的に増えます。その結果、より多くの食材を一括で仕入れられるようになり、原価を抑えやすくなる。価格を抑えたメニュー設定も可能になるでしょう。
ゴルフ場のレストランは『量の割に値段が高い』というイメージを持たれがちですが、オーダー数が増えれば料理一つひとつにかかるコストは下がりやすくなり、その恩恵はゴルファーにも返ってくるはずです。
さらに、ゴルファー以外の利用が増えれば、『よりクオリティを高めよう』という意識にもつながるかもしれません。周囲に飲食店が点在している地域であれば、ゴルフ場が本格参入することで競争力が生まれ、『〇〇が美味しいゴルフ場』として知名度や評価が高まり、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
また、クラブハウスは多くの人を収容できるキャパシティを備えている点も強みです。地域によっては、大人数で会合やパーティーを開ける飲食店が少なかったり、観光客が多いにもかかわらず食事場所が限られていたりするケースもあります。
周辺のゴルフ場が一般にもレストランを開放すれば、集会場所の選択肢が増え、大人数を受け入れることも可能になります。“食事難民”の解消に貢献できるでしょう」
加えて、ゴルフ場のクラブハウスやレストランはロケーションの良さも魅力です。これまでゴルフに縁がなかった人が足を運び、青々としたコースを目の当たりにすることで興味を持ち、新たなゴルファーの創出につながる可能性もあるといいます。
実際に一般開放の取り組みを行っている例としては、栃木県の鹿沼カントリー倶楽部が挙げられます。「市内唯一のビアガーデン」と銘打ち、バーベキューと飲み放題のイベントを開催するなど、ゴルフ場をより身近な存在に感じてもらう試みが始まっています。
営業時間拡大には無視できない課題も
もっとも、飯島氏は「クラブハウスのレストランを自由に開放するには、無視できない課題もある」と指摘します。
「日本では、フロントナインとバックナインの間でハーフターンを取るスタイルが一般的で、多くのゴルファーがお昼時に一斉に休憩に入ります。
そのタイミングでノンプレーの人も同時に利用すると、レストランが一極集中してしまう可能性があります。
そうなると、入店や料理提供までに時間がかかり、希望通りに昼食が取れなくなったり、午後のラウンド開始が遅れてストレスを感じたりすることにもなりかねません。
また、日本には市街地から遠く離れた山間部に立地するゴルフ場も多くあります。そうした場所で『ノンプレーの人も歓迎』と打ち出しても、アクセス面のハードルが高く、集客が見込めないケースも少なくないでしょう。
立地条件によって、ノンプレー利用者の数は大きく左右されます。
さらに、ゴルフ業界に限らず、高齢化の進行によって人材確保が難しくなっている点も無視できません。
これまでレストランは、ゴルファーがハーフターンで戻ってくる時間帯だけ営業すれば成り立っていました。しかし終日営業となれば、必要なスタッフ数は増え、1人あたりの労働時間も長くなります。
その結果、レストランを全面的に一般開放できるゴルフ場は、ごく限られた存在になると考えられます」
加えて、夜まで営業時間を延ばす場合には、駐車場から入口までの照明増設やセキュリティ強化など、安全面への投資も欠かせません。準備資金が一定程度必要になる点もハードルとなります。
ゴルフ場レストランの営業拡大は、決して簡単な挑戦ではありません。それでも、プレーヤー人口や従業員数が減少傾向にある現状を踏まえれば、新たな可能性に挑戦するゴルフ場が今後も増えていくことを期待したいところです。
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