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- 「金持ちのスポーツ」に逆戻りする懸念も… 上昇し続ける年間維持費に苦慮するゴルフ場のホンネ
人件費や燃料費など、ありとあらゆる物が値上げしている昨今、ゴルフ場も経営維持のためプレーフィーの値上げに踏み切ることが多くなってきています。
コース管理費も人件費も光熱費もどんどん上がっている
コロナ禍をきっかけにゴルフブームが起こり、ゴルフを始める人が増えました。その勢いは最近、落ち着いたように見えますが、プレー料金だけはジワジワと上がり続けていると感じるのは気のせいでしょうか。
つい先日も、SNSのメッセージでゴルフの誘いが入り、スケジュールが空いていたので「参加します!」とすぐに返信したら、その後で届いたプレー料金を見て「こんなに高いの!?」と驚きました。このコースは2~3年前にもラウンドしましたが、そのときはここまで高くなかったはずです。
ゴルフ場は食品メーカーのように「○月◯日から何%値上げします」と大々的に告知することはありません。こっそり値上げします。しかも、コースコンディションやサービスが目に見えてよくなっているわけでもありません。
むしろ以前よりもサービスが低下しているように感じることすらあります。それなのに料金だけが上がる……。ゴルファーとしては、なかなか納得しづらいところです。

どうして、こんなに料金が高くなっているのでしょうか。物価上昇の影響で年間維持費が上がっているのでしょうか。ゴルフ場関係者に率直に聞いてみました。
「年間維持費はもちろん上がっていますね。コース管理の資材も高騰していますし、人件費もどんどん上がっています。最低賃金も上がりましたし、政府は1500円を目指すといっていますから、今後も人件費は下がらないでしょう。電気代も水道代も、もう本当に全部上がっています」
「たとえば、今まで年間2億円で回っていたものが、2億5000万円、あるいは3億円に近づいてくると、採算分岐点がまったく変わってきます」
「でも、2億円が2億5000万円になったからといって、プレー料金を1.25倍にできるかといわれたら、なかなか難しいですよね」
「さらに、ゴルフ場が自分の土地なのか、借地なのか、これも本当に大きな差が出ます。借地代だけで1億円以上払っているゴルフ場もありますよ」
「借りている土地の価格交渉は、昔からいろんなゴルフ場で問題になってきました。かなり激しい話もありましたよ。その辺はもうやり尽くした、という感覚です。今の家賃を払えないところは、赤字だったら、もうお手上げですよね。そうなると、ゴルフ場を閉鎖するしかありません」
値上げと集客のバランスがこれまで以上に難しくなっている
つまり、今も営業を続けているゴルフ場は、すでに削れるところを削り、交渉できるところは交渉し尽くしたうえで、ようやく成り立っている状態だということです。
ゴルフ場の値上げは、利益を伸ばすためというより、「これ以上は下げられないコスト」を吸収するための調整であるケースがほとんどです。値上げをしなければ赤字になる、あるいは閉鎖に追い込まれる。そうした瀬戸際で、料金を少しずつ動かしているのが実情です。
しかも、ゴルフ場は値上げを正面から打ち出しません。予約時期や予約サイトによって料金が変わるため、結果的に「こっそり上がっている」ように見えるのです。同じ時期、同じコースでも、まったく同じ料金で回ることは、年々難しくなっています。
では、2026年のゴルフ場のプレー料金はどうなるのでしょうか。維持費が下がる要素は、ほとんど見当たりません。人件費も光熱費も、今後さらに上がる可能性があります。そう考えると、プレー料金も上がっていく可能性が高そうです。
ゴルフはかつて「金持ちのスポーツ」といわれていましたが、バブル崩壊、ゴルフ場経営交代ラッシュ、キャディーつきプレーからセルフプレーへの移行などを経て、「庶民でも楽しめるスポーツ」になりました。ゴルフ業界は「ゴルフをみんなのスポーツへ」をスローガンに掲げて活動を続けてきました。
ところが近年の需要拡大と物価上昇によって、「金持ちのスポーツ」に逆戻りする懸念が出てきました。コロナ禍でゴルフを始めたものの、思っていた以上にお金がかかるので、すでにやめてしまった人の話もちらほら聞きます。今後のゴルフ業界のことを考えると、すべてのコースが右にならえで料金を値上げするのは得策ではないと思うのですが、2026年のプレー料金はいったいどんな水準になるのでしょうか。
保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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