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- 「取引先の偉い人を勝たせたい」は可能? 新ペリア方式が長年支持される“絶妙な曖昧さ”とは
ゴルフコンペで広く採用されている「新ペリア方式」は、ビギナーにも優勝のチャンスがある仕組みです。その特徴と支持される理由を探りました。
「新ペリア方式」は実力と運のバランスが絶妙
ゴルフを始めたばかりの人と話していると、「会社のコンペに出なくちゃいけなくなったから、急いでゴルフスクールに通い始めた」という声をよく聞きます。そういう人たちにとって、会社のゴルフコンペが“コースデビュー”になることも少なくありません。
昔のゴルフコンペは、ゴルフ経験がそれなりにある人たちを前提にしていました。しかし最近は、ビギナーでも上位に入りやすいように、「新ペリア方式」の「ハンディキャップ上限なし」を採用するケースが増えています。
「新ペリア方式」というのは、ゴルフコンペで最も一般的なハンディキャップ算出法です。18ホールのうち、隠しホールとして選ばれた12ホールのスコアを元に、ハンディキャップを算出します。
12ホールのパーの合計が48になるように、隠しホールを選ぶ決まりになっています。具体的には、パー3の4ホールのうち2ホール、パー4の10ホールのうち8ホール、パー5の4ホールのうち2ホールを選ぶのが一般的です。

「ハンディキャップ上限なし」というのは、「1ホールで何打たたいてもハンディキャップに算出される」という意味です。
以前は「ハンディキャップ上限36.0」「ダブルパーカット」が主流でした。これはパー4で12打たたいても、ハンディキャップ計算上は8打として扱う仕組みです。一部のホールで極端に大たたきした人が、ハンディキャップを大量にもらうのを防ぐためでした。
ただ、それだとトータルスコア130~140のビギナーが上位に入るのは難しくなります。そのため最近は、“内輪のコンペ”を中心に「ハンディキャップ上限なし」が採用されるケースが多くなりました。ビギナーでも優勝できる可能性があるほうが、コンペが盛り上がるからです。
特定の人が上位に来るように細工も可能
一方で、「新ペリア方式」は18ホール中12ホールの隠しホールを選ぶため、作為的に選ぶことで特定の参加者が上位に入るように操作することができます。そのカラクリをゴルフ場関係者に語ってもらいました。
「企業が主催する大きなコンペになると、『自分たちの会社にとって大事なお客様を上位にしたい』みたいな忖度はありますよ」
「具体的な話をすると、特定の人を上位に入れるのって、ホールアウトした後に、その人がたたいたホールを全部ハンデホールにハメればいいだけなんですよ」
ここでいう「ハメる」とは、隠しホールに採用するという意味です。新ペリア方式は、隠しホールで叩いたスコアが大きいほど、ハンディキャップが増える仕組みになっています。つまり、その人が大たたきしたホールを隠しホールに選べば、順位の基準となるネットスコア(実際のスコアからハンディキャップを引いたスコア)を減らすことができます。
この話を聞くと、「それってズルじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。でも、そもそもゴルフコンペは、厳密な意味での“競技”ではありません。もちろんスコアを競いますが、本質的には「みんなで楽しむイベント」です。ドラコン賞があったり、ニアピン賞があったり、社長賞があったり、豪華賞品が用意されていたりするのも、そのためです。
つまり、コンペには「建前」と「本音」があります。建前としては、公平性が大事です。だから、新ペリア方式のような“誰でも優勝できる可能性がある仕組み”が採用されています。
本音としては、「コンペ全体を盛り上げたい」「大事なお客様に喜んでもらいたい」という気持ちもあります。その両方を成立させやすい仕組みとして、新ペリア方式が広く使われているのでしょう。
競技としては曖昧な部分もありますが、ゴルフコンペはそもそも“アトラクション”のような側面を持ったイベントです。そう考えると、新ペリア方式の絶妙な曖昧さは、日本のゴルフコンペ文化にとても都合の良い仕組みなのかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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