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- 「エバーグリーン」のゴルフ場は絶滅寸前!? 洋芝フェアウェイが減っているってホント?
プロゴルファーのような大きなターフの取れる洋芝フェアウェイのゴルフ場。寒冷地ではスタンダードだが、冬場も営業しているゴルフ場ではどんどん減ってきているという。
夏の暑さに芝生が耐えられなくなってきた
女子ツアーのニトリレディスゴルフトーナメントのインターネット配信を視聴していたら、7月から8月にかけて女子ツアーはフェアウェイが洋芝のゴルフ場で開催された大会が5試合あったという話題が出ました。
「ニッポンハムレディクラシック」開催コースの桂ゴルフ倶楽部(北海道)、「大東建託・いい部屋ネットレディス」開催コースの滝のカントリークラブ(北海道)、「北海道meijiカップ」開催コースの札幌国際カントリークラブ島松コース(北海道)、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」開催コースの軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)、「ニトリレディスゴルフトーナメント」開催コースの小樽カントリー倶楽部(北海道)が洋芝だったと思われます。
これらのゴルフ場に共通するのは寒冷地です。北海道は夏でも涼しいですし、軽井沢も首都圏から最も近い避暑地として知られています。
以前は関東近郊でもフェアウェイが洋芝のゴルフ場がけっこうありました。でも最近はすっかり見かけなくなりました。その理由をゴルフ場関係者に聞いてみました。
「一番の理由は夏の気温が高くなって、維持管理ができなくなったことです。栃木県のあるゴルフ場はオープン当初、フェアウェイが洋芝だったのですが、年を追うごとにフェアウェイが狭くなっていったそうです。その原因は気温の高さです」
「結局、フェアウェイはコウライ芝に張り替え、ラフが野芝でグリーンがベント芝という一般的なゴルフ場と同じ芝種になりました」
「今でもフェアウェイが洋芝のゴルフ場は北海道と一部の高原コースのみで、関東にはほとんどないと思います」
「洋芝の維持管理費用は、全国どこでも売っている肥料や除草剤などを使った場合、コウライ芝の1.1倍から1.4倍くらいで、管理費用はそれほど高くありません」
「ただし(芝生の)種が持ちません。土壌の地熱が高いから種が育成しませんし、今まで出なかった病気も出ます。それに対抗する薬を作っている会社もありますけど、いたちごっこのような状況です」
冬でも緑のフェアウェイでプレーできるのは九州・沖縄、海外だけ?
フェアウェイが洋芝であることの最大のメリットは、冬でも緑のフェアウェイでプレーできることでした。コウライ芝は日本在来種の夏芝ですから、冬になると枯れて白っぽくなります。
フェアウェイが洋芝だと冬でも枯れませんから、鮮やかな緑のフェアウェイでのプレーが1年中楽しめます。ゴルフ雑誌は毎年冬になるとエバーグリーンのゴルフ場を紹介する特集記事を作っていました。
でも、前述のとおり寒冷地以外でのゴルフ場では気温が高くなって維持管理ができなくなってしまいました。そして寒冷地のゴルフ場は冬季クローズしますから、エバーグリーンのゴルフ場は国内にはほとんど存在しないということになります。
九州や沖縄に行くとフェアウェイやグリーンがバミューダ芝(洋芝の夏芝)のゴルフ場があり、冬は芝が枯れるのですがコウライ芝のように白っぽくならないので緑の上でプレーできるところもあります。
ただ、本格的なエバーグリーンのゴルフ場を楽しみたいのであれば、海外のコースに行くしかないという時代になってしまいました。
日本女子プロゴルフ協会が洋芝のコースでのトーナメント開催にこだわっているのも、選手たちが海外の試合に出場したときに現地の芝に対応できるようにするのが狙いだそうです。
フェアウェイがコウライ芝だとクラブヘッドが少し手前から入ってもソールが滑ってくれますが、フェアウェイが洋芝だとボールにきっちり当てない大きな飛距離ロスにつながります。
そのようなゴルフ場でのプレーを経験してみたい人は、寒くならないうちに北海道や高原コースに行くことをオススメします。
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