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- ZOZO会場で決勝大会! 米国でドライバー・アプローチ・パターに特化したジュニア競技が生まれた深いワケ
今週、千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野CCで開催されているPGAツアーのZOZOチャンピオンシップ。9日の日曜日には同じ会場で日本のジュニアゴルファーたちが「DAP チャレンジ2022 U-15」でしのぎを削っていました。
予選を勝ち抜いた30人のジュニアが習志野に集結
今週、千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野CCではPGAツアーのZOZOチャンピオンシップが開催されていますが、実は9日の日曜日にも同じ会場で日本のジュニアゴルファーたち(15歳以下)による熱い戦いが繰り広げられていました。

とは言っても、こちらはストロークプレーで勝敗を争うのではなく、ドライバーとアプローチ、パターの飛距離や正確性を点数化して競うゲームで、大会名を「DAP チャレンジ2022 U-15」(以下、DAP)と言います。「DAP」とは「ドライブ・アプローチ・パット」の頭文字を取ったもの。
名称は少し異なりますが、米国では「ドライブ・チップ&パット」としてジュニアゴルフで盛んに行われており、全米での予選を勝ち抜いた男女各40名は、なんとあのオーガスタナショナルGCでマスターズ開幕直前の日曜日に開催される全米決勝大会に出場できるという夢のある大会となっています。
米国にならって日本でもPGAツアー競技の会場、しかも直前の日曜日という舞台が用意されました。当日は兵庫、北海道、千葉、神奈川の各会場での予選を勝ち抜いた小学校2年生から中学3年生までの男女30人が集結。コンディションの良い習志野CCで、真剣勝負ながらも楽しんでプレーしていました。
各カテゴリーを制したのは、河井さらんさん(7-9歳女子)、篠原桜司くん(7-9歳男子)、高橋優奈さん(10-11歳女子)、小林豪兼くん(10-11歳男子)、ゴヒーン・ソフィアさん(12-13歳女子)、神永直輝くん(12-13歳男子)、千神桃さん(14歳以上女子)、佐々幸史朗くん(14歳以上男子)。記念すべき初代チャンピオンとして、歴史にその名を刻みました。
PGAツアーの飛距離偏重への危機感から

ところで、米国ではなぜストロークプレー以外にこうした競技が考え出され、育成年代に推奨されているのでしょうか。DAP実行委員の1人でゴルフジャーナリストの舩越園子氏にお話を聞きました。
「DAPは3つの分野の技術力を競いますが、この3つはゴルフに求められる総合力です。そして、形の上では技術的な総合力ですが、精神力も大いに求められます。D(ドライバー)で失敗してもA(アプローチ)やP(パター)で巻き返せると思えるかどうか。何かでダメでも他で補えるということを、肌で感じ取り、それを実践していくことを楽しく学べるところがDAPの一番いいところだと私は思ってます」
ただ、そうした面はストロークプレーでも求められるのでは?
「ストロークプレーも最終的には技術的な総合力と精神力が求められるわけですが、DAPはストロークプレーではなかなか上位に入れない選手が上に行くチャンスもあります。その意味では、選手間(子ども間)においても、“自分が勝てるかも”“巻き返せるかも”と、希望を抱くことができる。つまり、DAPは“希望を捨てない”“望みを抱く”“小さな可能性に賭けてみる”といった姿勢も学ぶことができるのです。その意味で、ストロークプレーとは異なるゴルフが楽しみながら学べると思います」
米国でこうしたフォーマットが考案された背景には、PGAツアーをはじめとしたエリートレベルおけるゴルフという競技の変容も影響していると言います。
「アメリカでは、飛距離偏重になりつつあるゴルフを見直し、子どもたちには“スコアリングの決め手は小技である”ことを早くから知ってもらいたいという狙いで『ドライブ・チップ&パット』が創設されたと聞いています。日本は、アメリカ以上に飛距離偏重、ドライバー命という傾向が強いので、ジュニアゴルファーには、アメリカ以上に小技の大切さを知ってもらいたいと思います」
舩越氏は、練習場でドライバーを握る時間が一番長いゴルファーを見るにつけ、「子どもたちがずっとウエッジばっかり練習していたら、大人たちも『なるほど』と見習うかも」と考えることがあると言います。そんなふうに日本のゴルファーの意識が少しずつ変われば、日本のゴルフのレベルは各段にアップするとも。
出場したジュニアを見習って、大人もドライブ、アプローチ、パットを偏りなく磨いていきたいものです。
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