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- 白杭にかかった球はOB? セーフ? 黄杭・赤杭・バンカーなど意外とややこしい境界線の判断
OB方向に球を曲げ、行ってみたら白杭を結んだ線のギリギリ。どこまでがセーフでどこからがOBなのか迷ったことはありませんか? 他にも「特定のコースエリア」に入っているか否かで処置の仕方や難易度が変わってくることがあります。
「球があるコースエリアの決定」という規則
今年の米ツアートーナメントで、「プロなのに、知らなかったんだぁ」と、ちょっと驚く出来事がありました。
基本的なルールを知らないことが世界中のゴルフファンに知られたのは、今年の全英オープンチャンピオンで、現在はリブゴルフでプレーするキャメロン・スミスです。
米ツアーのプレーオフシリーズ第1戦「フェデックスセントジュード選手権」の第3ラウンド。スミスは4番パー3で、ティーショットをグリーン左の池に打ち込んでしまいます。
その池はレッドペナルティーエリアでしたから、スミスはボールが赤線を最後に横切った地点からホールに近づかない2クラブレングスの救済エリアにドロップする救済処置を行い、プレーを続けました。
ところが、翌日の朝、彼は前日の救済について、競技委員に確認されます。
というのも、スミスの救済の様子はビデオ映像に残されており、それをチェックした競技委員が「ドロップのボールは赤線に触れているように見える」と主張したからでした。
ここで、今回の本題「球があるコースエリアの決定」という規則(規則2.2c)の話になります。
まず、ルールブックにある「ペナルティーエリア」の定義において「(ペナルティーエリアの縁が)地面上に塗った線で定める場合、そのペナルティーエリアの縁はその線の外側の縁となり、線自体はそのペナルティーエリア内である」と規定されています。
つまり、(スミスのケースの)赤線自体はペナルティーエリア内になります。
そのうえで、規則2.2cには「球の一部がジェネラルエリアと4つの特定のコースエリアの両方にある場合、その球は特定のコースエリアにあるものとして扱う」とあります。4つの特定のエリアとは「ティーイングエリア」「バンカー」「ペナルティーエリア」「グリーン」です。
ですから、ボールがジェネラルエリアとペナルティーエリアである赤線の両方に触れて止まった場合=ボールの一部でも赤線に触れている場合は、そのボールはペナルティーエリア内ということです。
この規則はほとんどのゴルファーが知っていることでしょう。
実は、スミスの救済の様子は第3ラウンドの当日も競技委員が映像をチェックしていたようです。
しかし、そのときは「ドロップしたボールが赤線に触れているように見えるけど、その場合は再ドロップしなければならないことは、プロにとっては常識。カメラのアングルで、たまたまそう見えるだけだろう」と不問にされたそうです。
しかし、翌日、別の競技委員が改めてビデオをチェック。
「赤線に触れているとしか見えない」となって、前述のようにファイナルラウンドのスタート前に本人に確認することになりました。
そして、その問いに対するスミスの答えは「はい。ボールは間違いなく赤線に触れていました」。
スミスはペナルティーエリアにまつわる、常識的な規則をよく理解していなかったのです。
結果、このときのスミスのプレーはいわゆる「誤所からのプレー」となり、前日のラウンドのスコアに2罰打が追加されたのでした。
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