そもそも自分からスコアを報告しないほうがマナー違反
ゴルファーの多くは、ホールアウトしたりカートに乗ったりしたタイミングで今終わったホールのスコアをつけると思います。
「バンカーから見事な寄せワンのパーを取りましたね」「上からのパーパットがダボになっちゃった」など、喜びや反省を口にし合える楽しい時間です。しかし、そういう雰囲気が苦手なのか、クールな性格なのか、仲間がスコアカードをつけているのが分かっていても、なかなかスコアを言わないプレーヤーと一緒になることがあります。

自分のプレーに余裕があるときは、他の人がいくつ打ったかある程度分かりますが、そうでないときは同伴者全員のスコアを追うことなどできません。最初は素直に全員に聞いてスコアカードに書き込んでいきますが、同じ人に対してそれが続くと「失礼かな」とか「数えていないと思われるかな」とか「なぜ言ってくれないのかな」などと考えて、聞きにくくなってしまうものです。
そこで、相手に気を使いすぎず自分もストレスを感じないようにするためには、どのようにスコアを申告したり聞いたりするのが自然なのか、マナーの達人・渡辺満枝さんにお聞きしました。さまざまな企業の社員研修や講演会などを行なっている人材教育会社(株)エミー代表取締役を務める渡辺さんは、プロゴルファーへの接客指導にも定評があります。
「まず初めにお伝えしたいのは、プレーヤーは、ホールアウトしたらただちにそのホールのスコアを報告するのがマナーだということです。それとともに同伴競技者のスコアを確認するのもマナーですので、報告してくれない人がいたら、必ずそのつど聞いて確認しましょう。『私はボギーですが、Aさんはパーですか?』というように、自分のスコアを報告して相手にも言ってもらえればスムーズだと思います」
「タイミングとしては、ホールアウトしてから次のホールに行くまでにスコアの報告・確認を行ないます。競技会でスコアを過少申告して提出した場合は失格になりますから、プライべートのラウンドでも、ホールアウトしたらただちにスコアの報告をし合う。報告がない人には聞く、確認する。日頃からこの流れを心がけてプレーすることが大切です」
「スコアを(言ってくれないから)こちらから毎ホール聞く」のは失礼なことでは決してなく、そもそも自分から報告しないこと、相手のスコアをその場で確認しないことのほうがマナー違反に当たるのですね。
打数が分からなくなったら同伴者にも一緒に数えてもらう
全員のスコアがはっきりしないと次のティーショットの打順も分かりませんし、同じ人に毎回スコアを聞くのが負担になり、プレー後まとめてスコアを読み上げてもらうようなことになると、仮に誤記があったとしても確認ができないので注意が必要です。
「ホールアウトしてから次のホールに行くまでにスコアの報告・確認を行なえば、そのようなことを防げます。ただ、アベレージゴルファーには、大叩きをしたため自分が打った回数が分からなくなってしまうこともあると思います。もし相手がそれでスコアを言えずに一生懸命数え直していると感じたら、一緒にスコアを数えて確認するといいでしょう」
「ちなみに私がその立場になったとしたら、スコアを少なく言ってしまうと不誠実のように思われるので、『いくつか分からなくなってしまったので、一緒に数えてください』と言って同伴者の力を借りてスコアを確認するようにしています。聞くのは恥ずかしいという方もいるかもしれませんが、前にも述べたように、競技会では過少申告をするともっとも恥ずかしい“失格”になりますので気をつけてください」
スコアの報告・確認は、ホールアウトしてから次のホールに行くまでの間に行うのが正しいマナー。また、スコアが分からなくなってしまった人がいたら、一緒に次のホールまで行くようにし、頃合いを見計らって「Aさん、スコアはいくつでしたか?」と聞けば失礼はないでしょう。