自分への期待値が高いスポーツマンほど危ない!? 早々にゴルフをリタイアする人の傾向と対策

　厚生労働省は、3月13日に新型コロナウイルス対策のマスク着用を「個人の判断」にあらためました。コロナ以前の日常が戻りつつあるなか、コロナ禍にゴルフを始めた人たちが続々とリタイアしていく傾向があるそうです。実際に、身近で辞めていった人たちが数人いるというレッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「私が関わっている人のなかで、コロナ禍にゴルフを始めてやめていった人は『思ったよりお金がかかる』『飲み会が復活したから』という人が多かったです。コロナ禍はやれることがかなり制限されていたので、いままでやっていた趣味ができなくなる人も一定数いました。そのような人たちが新たな趣味としてゴルフを始めたようですが、コロナでの規制がかなり緩和された今、以前の娯楽に戻っていった人が多い印象です」

　3密を防げることやコロナ禍での運動不足解消になることがきっかけでゴルフを始めた人は少なくありません。

　興味本位でゴルフを始めた人のなかには、明確な目標（たとえば100を切るなど）を決めずになんとなくゴルフライフをスタートした人が多く、続ける原動力が薄かったことも要因の一つと言えそうです。さらに三浦氏は、ゴルフを始めたものの早期にリタイアしてしまう人が多いのはコロナ禍に始まったことではないと言います。

「ゴルフを長くやっている人たちの凝り固まった考えが堅苦しくて嫌になる人が多いですね。結局、ベテランゴルファーと一緒にスタートするのがスムーズではあるのですが、人によっては必要以上に技術的な部分を教えようとしたり、マナーに口うるさかったりするので、楽しさを見いだせずやめてしまうといった感じです。とはいえ、ビギナーだけの組が多いとゴルフ場の進行がスムーズにいかなくなってしまうのも事実なので、難しいところだと思います」

　マナーの堅苦しさとは別に、やはり技術的な難しさもリタイアの要因です。意外にも、運動に自信がある人がなかなか上達せずにやめていくケースも多いと三浦氏は話します。

「学生時代に何かしらのスポーツをやっていて、運動神経に自信がある人が意気揚々とゴルフを始めて、なかなか上達せずやめてしまうのはよく見ます。日本では、ゴルフはなんとなくレジャースポーツという雰囲気があったり、止まっているボールを打つだけだから簡単というイメージを持っている人もいます。しかし実際は、上達するにはそれなりに時間がかかるので、初級者から中級者にレベルアップするのが難しい。自分に対する期待値が高すぎる人ほど、ギャップが大きく早々にリタイアしてしまっている印象です」

　練習場で真っすぐボールをミートできるゴルファーであっても、ラウンドではまったく狙いが定まらないことも珍しくありません。思った通りのプレーができずスコアが伸び悩むことで、つまらなく感じてしまうのでしょう。

　三浦氏は長く続けるための心掛けとして、ゴルフを始めたばかりのうちは全体のスコアを気にしすぎないことを挙げます。

「18ホールを通して良いスコアを出すのは、ゴルフを始めたばかりの人には難易度が高いです。初めはトータルのスコアは気にせずに、1ホールずつを楽しむと良いと思います。たとえば、『ボギーをとったことがないならボギーを目標にする』、『PAR3ならグリーンにワンオンさせる』『2パットでカップイン』するなど、1ホールずつ簡単な目標を決めると、達成感が味わえてゴルフの楽しさが少しずつ分かってきます」

　他にもゴルフをプレーするときにしか着用できないおしゃれなウエアであったり、レストランの食事を楽しみにしたりするのもいいかもしれません。楽しさを見いだせずに悩んでいるゴルファーは、参考にしてみてはいかがでしょうか。