ヤード杭の距離を鵜呑みにしてはいけないケースも
昨今ではゴルフカートにGPSナビが設置されていることが多いので、ヤード杭を見ずにプレーする人も一定数います。しかし、まだカートナビが設置されていないコースもあるので、自前の距離測定器を持っていない人は、ヤード杭を頼りに残り距離を判断する必要があります。

ゴルファーの中にはヤード杭通りの距離をナイスショットしたにもかかわらず、ショートしてしまった経験がある人も多いかもしれません。実はヤード杭の表示はゴルフ場ごとにまちまちで、「150ヤード杭の近くにボールがあるから150ヤードを打てばグリーンセンターに届く」というわけではありません。
もちろん風や高低差を計算に入れていなかったケースも考えられますが、ヤード杭の見方を誤っている可能性もあります。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「ヤード杭には、『グリーンのセンターまでを表示している杭』と『グリーンの(手前の)エッジまでを表示している杭』が存在します。日本のゴルフ場はグリーンセンターまでの表示が多数派ですが、エッジ表示のところも珍しくありません」
「グリーンエッジはグリーンの外周、特に手前部分を指すので『グリーンエッジまで残り150ヤード』の状況で150ヤードのショットを打っても、グリーンセンターにまでは届かず、グリーンの外周部分にギリギリ乗るかたちになります。つまりグリーンエッジまでの距離を表示しているゴルフ場では、グリーンエッジからカップまでの距離も計算して、足した距離を打つ必要があります。ただし、エッジ表示の場合でもパー3だけはセンター表示にするのが一般的です」
ゴルファーの中には、ヤード杭は常にグリーンのセンターを表示しているものと勘違いしている人も一定数います。ヤード杭の見方を間違えてしまうと、18ホールすべてで微妙に距離が合わなくなってしまいます。
ラウンド開始前にヤード杭がどちらを表示しているのかは、必ず掲示を見たりマスター室で確認するなどしておきます。キャディー付きの場合はキャディーさんが教えてくれますが、セルフプレーの場合は自ら確認する必要があります。
ヤード杭は50ヤード間隔で置かれていることが大半で、数字で書いてある場合もあれば、1本線が100ヤード、2本線が150ヤード、3本線が200ヤードと、線の数で示している場合もあります。他にも赤杭が100ヤード、白杭が150ヤード、青杭が200ヤードなどと、色で分けているところもあります。