2013年から続く大記録! 日本女子OPで「国内メジャー連続出場記録」が歴代8位に並ぶ選手とは?

シード以外にも出場条件が課される場合もある国内メジャートーナメント。そんな国内メジャーに出場を続け、2023年の日本女子オープンで歴代8位に躍り出る選手がいます。

菊地絵理香が42試合連続出場を達成予定

 来週に迫った「日本女子オープンゴルフ選手権」の出場選手が発表された。3連覇がかかっていた勝みなみは米女子ツアーのシード獲得に専念するため欠場となったが、楽しみな選手が目白押し。その中で今回は菊地絵理香に関するデータを紹介したい。

 現在35歳の菊地は予定通りに出場すれば国内メジャー(公式競技)42試合連続出場となる。これは現在進行中の選手では最長、歴代ではト阿玉(台湾)に並ぶ8位の記録となる。

 連続出場の歴代1位は岡田美智子の68試合。1968年の第1回「日本女子プロゴルフ選手権」から1994年の同大会まですべてのメジャーに出場し続けた。

2013年の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」から出場を続けている菊地絵理香 写真:Getty Images
2013年の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」から出場を続けている菊地絵理香 写真:Getty Images

 歴代2位は不動裕理の56試合連続。歴代3位は50試合連続で今堀りつ、永田富佐子、全美貞の3選手が並ぶ。

 歴代6位が樋口久子の46試合連続、歴代7位が大迫たつ子の44試合連続と来て、歴代8位が前述したようにト阿玉の42試合。ここに菊地が並ぼうとしているわけだ。

 メジャーに出続けるということは、そう簡単なことではない。理由のひとつは出場資格にある。「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」と「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」はシード選手ならば出場できるが、あとの2試合は出場資格が特別なのだ。

「日本女子オープンゴルフ選手権」の場合、メルセデス・ランキングによる出場資格が与えられるのは前年の30位まで。他の資格(過去10年の大会優勝者や過去1年間のツアー優勝者など)がなければ予選会から出場を目指さざるを得ない。

 シーズン最終戦でもある「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に至っては出場枠40人という狭き門。出場資格(昨年度実績)は、1.当該シーズンのJLPGAツアー優勝者、2.当該年度USLPGAツアー優勝のJLPGA会員、3.当該年度11月8日時点のロレックスランキング上位50位までのJLPGAの会員、4.大会開催前週までの当該シーズンメルセデス・ランキング上位者(3までの出場人数が40名未満の場合のみに与えるものとし、出場人数が40名に満まで選出する)という具合である。

 つまり、しっかりと上位でシード入りするか、コンスタントに優勝していかなければメジャーの出場を続けることはできないのである。そのうえで故障や病気による欠場がないことも必要。好成績を残し、なおかつ丈夫であることが条件になる。

 菊地は2013年の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」から出場を続けている。同年以降のシードに関わるランキング(2021年までは賞金ランキング、2022年からはメルセデス・ランキング)は最も悪いシーズンで25位である。最高位は7位だから女王争いをするまでではないが、高いレベルを維持し続けている。

北陸開催の日本女子OPで菊地のリベンジに期待

 今年もすでに1勝を挙げてメルセデス・ランキングは16位。強い若手が次々に現れてツアーを席巻している中で、長くこれだけの成績を残してメジャーに出続けているのは非常に価値があることだ。

 メジャーにおける成績も優勝こそないが安定している。通算55試合でプレーしてトップ10が16回もある。

 連続出場の期間に限れば41試合中予選通過が実に38試合。予選通過率は92%を超える。トップ10は15回でトップ10率も36.6%という高率である。

2023年も「ニトリレディス」で優勝。最終戦への出場を決めている菊地絵理香 写真:Getty Images
2023年も「ニトリレディス」で優勝。最終戦への出場を決めている菊地絵理香 写真:Getty Images

 メジャーの中でも「日本女子オープンゴルフ選手権」とは相性がいい。アマチュア時代を含め最初の3回こそ予選落ちを喫したが2009年以降は14年連続予選通過中。トップ10は7回あり、これは今回の出場選手の中では横峯さくらの8回に次ぐ数だ。

 頂点までもう少しのところまで迫ったこともある。2013年は宮里美香に1打及ばずの2位。2015年には1打リードで迎えた最終ホールでボギーを叩いてチョン・インジ、李美香とのプレーオフになり、4ホールの激闘の末、チョンに敗れた。

 今年の「日本女子オープンゴルフ選手権」の会場は福井県の芦原ゴルフクラブ海コース。プレーオフで敗退した2015年大会(石川県の片山津ゴルフ倶楽部白山コース)以来の北陸開催で、2つのコースは直線距離で10数キロしか離れていない。

 同じ北陸、8年前の悔しさが頭をよぎるかもしれないが、別の考え方をすれば最もメジャー初制覇に近付いた、いい方角でもあるわけだ。42試合連続、通算56回目のメジャー舞台。経験豊富なベテランが悲願達成に挑む。

菊地 絵理香(きくち・えりか)

1988年7月12日生まれ、北海道出身。ティーチングプロである父の影響で6歳からゴルフを始める。2008年のプロテストに2度目の受験で合格し、12年には年間獲得賞金ランキング43位で自身初のシード入り。15年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初優勝。昨季の「資生堂レディスオープン」で2位タイに入り、生涯獲得賞金6億円突破を果たした。ツアー通算6勝。ミネベアミツミ所属。

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稲見萌寧が優勝した2022年ニトリレディス 写真:Getty Images
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2013年の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」から出場を続けている菊地絵理香 写真:Getty Images
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