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C・スミスのビッグマネーの使い道とマキロイのリブ評価発言に見る“対立”を越えた“希望”
リブゴルフに出資するサウジアラビア政府系ファンド「PIF」とPGAツアーの統合に関する詳細発表が先送りされ、ゴルフ界は2024年を迎えてもなお、不透明な空気に包まれている。しかし、この分断を克服し、本来の意味でのゴルフの成長につながる希望も見え始めている。
マキロイがスポンサーに負担を強いるPGAツアーを批判
ゴルフ界そのものに目をやれば、先週はPGAツアーの新年初戦、ザ・セントリーがハワイで開催されたが、その大会会場のカパルアには姿がなかったローリー・マキロイが、サッカー関連のポッドキャストで語った発言がゴルフ界では大いに取り沙汰されていた。

PGAツアーに忠誠を誓い、リブゴルフを批判する急先鋒のような姿勢を取り続けてきたマキロイが、年明け早々、一転してPGAツアーの問題点をあげつらい、リブゴルフを評価するような言葉を口にしたことは、ゴルフ界の方々へ波紋をもたらした。
マキロイは「マネーにマネーで対抗しようとし続けることは、サステナブルではないし、無理がある」と、昨今のPGAツアーのリブゴルフ対抗策を批判。
さらには、リブゴルフのマネーに対抗するために創設した昨年の「格上げ大会」、今年の「シグネチャー・イベント」の破格の賞金のために必要となる「さらなるマネー」を「PGAツアーがスポンサーに求めているところに無理がある」と指摘。
「スタープレーヤーが少なくなってテレビ中継の視聴率が低下し、スポンサー効果は激減している。そして、トッププレーヤーが必ず出場する保証もないというのに、スポンサーには巨額の拠出が求められているのだから、あまりにも無理がある」
PGAツアーは「ツアーのため」「選手のため」を考えるあまり、「スポンサーのため」「ファンのため」という考えが欠落していると主張したマキロイは、一方で、リブゴルフに対しては、こんな言葉を付け加えた。
「(PIFの)ヤセル・ルマイヤン会長はナイスガイでゴルフを愛している人だ。リブゴルフはスター選手が全試合に必ず出場することが保証されているすばらしいシステムだ。
だが、『grow the game(ゴルフの成長)』を提唱しているリブゴルフに選手たちへの賞金として100ミリオンの用意があるのだとしたら、実際の賞金は50ミリオンにとどめ、残りの50ミリオンはUSGAやR&Aが地道に行なっているゴルフ興隆とゴルファー育成のためのグラスルーツ(草の根)の活動プログラムへ寄付したらどうか。
それが、本当のgrow the gameではないのだろうか」
態度や姿勢をたびたび一変させるマキロイには、翻弄されがちだが、彼の最後の一言には「その通りだ」と頷かされた。
そして、リブゴルフから得た破格の移籍料や賞金でホームコースをつくり、地元ゴルファーにも良き環境を提供したスミスのビッグマネーの有効活用もゴルフの「grow the game」につながるはずだと、私はここでも頷かされた。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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