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服部真夕はなぜアプローチだけ“左打ち“なのか? 転機となった出来事から下部ツアー優勝までの軌跡
国内女子ツアー通算5勝の服部真夕。2008年から11シーズン保持したシードを手放した彼女も今年で36歳になる。アプローチを左打ちに変えたエピソードについて聞いた。
「なんでそんなところからパターを持ってんだ」の心無い一言
その時期、キャディーの呉本は様々なアドバイスを送っていた。服部がグリーン周りからパターやユーティリティーを使っていたのも、すべて呉本のアドバイスだった。
服部は「アプローチはウェッジにこだわりたい。どうしてもパターで打つのは周りの目が気になるし、何度も揉めましたね(笑)。ただ、呉さん的にはどうにかしてパーを拾いたいという思いが強かったんでしょう」と笑う。

一方の呉本は「ウェッジでいってダボになったシーンも何度もあった。ゴルフって手段を選ばずバーディを取るスポーツだと私は思っているので、プロの気持ちは分かるけれど、怒ったこともありました」と振り返る。
2015年のアクサレディス会場の練習場で一度こんなことがあった。
「試合が終わった後に、『こういうところからパターの練習をしよう』とアプローチ練習場でパターを持って練習しようと始めた時です。コーチと思われる人が『なんでそんなところからパターを持ってんだ』といって、スッと去っていったんです」(服部)
呉本もさすがに「このときはパンチを食らいました」と苦笑いを浮かべるが、話し合いの末、そのまま練習は続けた。2人の記憶では、アプローチでパターを実戦で初めて使ったのは15年の「ヤマハレディースオープン葛城」という。
呉本は「服部プロがツアーで勝ってきた選手でプライドも絶対にあると思う。ギャラリーの人たちが見ているのもある。そう考えると相当な覚悟だったと思うのですが、当時はなりふり構わない部分があったと思います」と振り返る。
そんな中で、実際にパターでのアプローチを始めるとスコアにつながった。「スコアを作るためにはパターを持たないといけない」という覚悟は、大きな心境の変化だったに違いない。
「今の左打ちは遊びでやったの?」ボランティアが驚く
ただ、それでもウェッジでなんとかスコアをまとめることはできないか。コース攻略に選択肢が多い方がいいのは当然のこと。19年のオフのプライベートゴルフで呉本がふと放った一言がきっかけになる。
「遊びで左打ちのクラブ持ってみれば?」
服部はそれを遊び半分でなんとなく聞き入れ、試してみたという。「左打ちのクラブはほとんど打ったことなかったのに、いざ打ってみると思いのほかうまく打てたんです。当時右のアプローチは全然打てなかったので、びっくりでした」(服部)
2人はその足でゴルフショップに行き、左打ちのウェッジを購入。この年の2月、UUUM GOLFのトーナメントに参加し、左打ちのアプローチを試した。
「この時は右アプローチの手応えがあったのに、とんでもないミスが出た。それで2日目にアプローチは左打ちで試合に挑んだんです。そしたら今までにないところからパーが拾えた。グリーンを外した時のミスが大幅に減って、寄せワンが取れるゴルフができた。もうこれは左でいくしかないと」(服部)
左打ちのアプローチはうまく力が抜けて、スムーズに体が動いた。このトーナメントに参加していたボランティアが、そのプレーを目の当たりにし、2人に「いま左で打っていたけれど、遊びでやったの?」といってきたほどだ。
「試合なのにふざけているんじゃないかって思われていたのかもしれませんよね(笑)」と呉本は笑う。
このまま迷宮入りを続けていれば、精神的に病みそうな状況だったのは想像に難くない。それでも2人は明るく前向きに一つひとつ、試行錯誤を繰り返しながら状況を打開していった。
「左打ちの発想は私にはなかった」
初めてツアーで左打ちアプローチを試したのは、2020年6月にコロナ禍で行われたこの年の開幕戦「アース・モンダミンカップ」。ギャラリーは誰もいない試合だったが、映像で“左打ち”を 知ったファンも多かったという。今もずっとこの戦い方を変えていない。
現在の服部には「(アプローチの)選択肢が増えてよかった」と自負する。「21年のステップでの優勝はレギュラーと同じ価値がある優勝でした。イップスになってから、いろんな方法を探してやってきた中でようやく手にした優勝だったので本当にうれしかった」
そして服部はこうもいう。「左打ちなんていう発想は私には正直なかった。すべて呉さんのおかげです」。
本人を目の前に恥ずかしげもなく素直に伝えた言葉に、呉本は照れ笑いしていた。
服部真夕(はっとり・まゆ)
1988年3月3日生まれ、愛知県出身。学生時代は「坂田塾・名古屋校」で腕を磨き2007年プロ入り。2015年「CAT Ladies」で初優勝を挙げるなどツアー通算5勝。24年は「QTランキング42位」の資格でレギュラーツアーに出場予定、2018年以来のシード復帰を目指す。朝日インテック所属。
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