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- 古江彩佳のエビアン優勝で日本人は4人! 米女子メジャーの国別優勝者数ランキングで日本は何位になった?
「アムンディ・エビアン選手権」で自身初のメジャータイトルを手にした古江彩佳。これで日本人の米女子ツアーメジャー制覇は4人目となった。そこで、過去のメジャー優勝者数を国別で調べてみた。
国別1位は84人でダントツの米国、2位は韓国の20人
今季メジャー第4戦「アムンディ・エビアン選手権」は1打差2位タイで最終日を迎えた古江彩佳が最終ホールの劇的なイーグルでメジャー初優勝を飾った。日本女子のメジャーチャンピオンは樋口久子、渋野日向子、笹生優花に続く4人目。国別メジャーチャンピオン人数で5位タイに浮上した。
現在行われていない「ウェスタンオープン」や「タイトルホルダーズ選手権」なども含めて古江が140人目のメジャーチャンピオンとなる。この140人のメジャーチャンピオンを国別で分けるとどうなるか。

初期は米国選手の独壇場だったから、やはり米国選手が84人で突出した1位である。
2位は1998年に「全米女子プロ」と「全米女子オープン」を立て続けに制した朴セリがゴルフブームに火をつけた韓国で20人。21世紀に誕生したメジャーチャンピオンに限れば米国の16人を凌駕する19人にのぼっている。
3位は大きく差をつけられてスウェーデンと英国の5人。そして4人目が誕生した日本がオーストラリアと並ぶ5位に上がって来たのだ。
歴史をさかのぼると、日本女子が初めてメジャーに挑戦したのは1970年のことである。この年から米女子ツアーに参戦した樋口と佐々木マサ子が「全米女子プロ」と「全米女子オープン」に出場している。
樋口が「全米女子プロ」を制して男女を通じて日本人初のメジャーチャンピオンに輝いたのは1977年。米国人以外では4人目のメジャー制覇だった。
だが、日本勢はここから長くメジャータイトルから遠ざかる。米女子ツアー通算17勝、1987年にはプレーヤー・オブ・ザ・イヤーと賞金女王に輝いた岡本綾子も、米女子ツアー通算9勝で世界ランキング1位経験者でもある宮里藍もメジャーでは頂点に立つことができなかった。
歴史を動かしたのは初めての海外試合となった2019年「全英女子オープン」で衝撃的な優勝を果たした渋野である。渋野がこじ開けた扉が2年後の「全米女子オープン」で笹生と畑岡奈紗の日本勢同士(笹生は当時フィリピンで登録)のプレーオフにつながる。そして今年は笹生が「全米女子オープン」で2勝目を飾り、「アムンディ・エビアン選手権」で古江が続いた。
渋野が勝って以降はメジャー24試合で4勝を挙げ、今年は4試合を終えた時点で2勝、2位2回(全米女子オープンの渋野と全米女子プロの山下美夢有)。今や日本女子は黄金期を迎えているといっていいだろう。
パー3を攻略することで他選手に差をつけた古江彩佳
ここからは今回の古江のプレーをデータで分析してみたい。データ面から勝因に挙げたい点が2つある。
古江の強みのひとつはフェアウェイキープ率の高さである。大会前までは84.41%で部門3位。飛距離が平均以下の古江にとって、まずフェアウェイに置いてゲームを組み立てることが生命線でもある。
ところが、「アムンディ・エビアン選手権」ではフェアウェイキープに苦しんだ。自身の平均を大きく下回る67.31%で4日間プレーした67人中ほぼ真ん中の32位タイにすぎなかったのだ。

ラフに入れば小柄で非力な古江は思ったところにボールを運ぶのがより難しくなる。実際、もうこれはパーセーブできないだろうというピンチが度々あった。それでも、ボギーを67選手の中で最も少ない4個にとどめたのである。持ち味のショートゲームが冴え渡り、ボギーを最小限に抑えたことが勝因のひとつだ。
もうひとつはパー3を見事に攻略したことである。
どのコースでもパー5ではしっかりとチャンスをつくることが求められるが、今回は特に短く設定されており、各選手グイグイとスコアを伸ばした。
古江は勝負を決めたイーグルはあったものの4日間で計7アンダーだった。これは67選手中17位タイの数字。中の上くらいでしかない。
パー4では計4アンダーとまとめてはいるが、それでもこのスコアは全体の6位タイとそれほど目立つものではなかった。
パー5とパー4の合計は11アンダー。優勝を争ったほかの選手はどうかというと、2位のS・キリアコウ(オーストラリア)は計15アンダー、3位のP・タバタナキット(タイ)は計12アンダー、4位のL・コフリン(米国)は計13アンダーだから4人の中では古江が最下位だった。
しかし、パー3では8バーディー、ボギーなしの計8アンダー。これは全体トップのスコアで優勝を争った他の選手を圧倒したのだ。
多くの大会は18ホール中パー3が4ホールに設定されているが、「アムンディ・エビアン選手権」はパー3が5ホールあるから重要性はより高い。最終日、反撃の口火となるバーディーを奪った14番はパー3だったし、16番のパー3でもバーディー。パー3で強さを発揮したことが快挙を引き寄せる要因になったことは間違いない。
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