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- 年間王者の“夢”は来季に持ち越し… 松山英樹の最終戦は9位タイ シーズンオフは腰痛の原因究明と体力面の克服に
PGAツアーのプレーオフ最終戦となった「ツアー選手権」。フェデックスカップポイントランキング3位で今大会に臨んだ松山英樹(まつやま・ひでき)は、通算16アンダーの9位タイでフィニッシュ。優勝したのはスコッティ・シェフラーで今季7勝目を飾ると同時に初の年間王者に輝いて、2500万ドル(約36億5000万円)を獲得した。
完走できなければランク30位に落ちた可能性も
◆米国男子プロゴルフ プレーオフ最終戦
ツアー選手権 8月29日~9月1日 イーストレイクゴルフクラブ(ジョージア州) 7490ヤード・パー71
日本人初のPGAツアー年間王者を期待された松山英樹だったが、腰痛の爆弾を抱えた状態ではハードルが高すぎた。しかも、逆転を目指す相手は今季ツアー6勝を挙げ、「パリ五輪」でも金メダルを獲得した世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー。
むしろ、今できるベストパフォーマンスを見せることだけを考え、4日間を9アンダーで回った松山の粘りを評価するべきだろう。
確かに、プレーオフ最終戦となった「ツアー選手権」をフェデックスカップポイントランク3位で迎えることができた。同大会はハンディ戦のため、松山は首位と3打差の7アンダーからスタート。逆転の可能性も十分にあった。
しかし、腰痛を抱えながらも「パリ五輪」では銅メダルを獲得し、プレーオフ初戦の「フェデックス・セントジュード選手権」を制した。
その代償としてプレーオフ2戦目の「BMW選手権」を棄権。今大会も4日間完走できるかどうかが心配されていた。仮に最終戦を棄権してしまうと同ランクは30位となる。まさに体を張った4日間だったのだ。
それにもかかわらずスコアを9つ伸ばし、通算16アンダーの9位タイでフィニッシュした松山。自身にしてみればせっかくのチャンスをものにできなかった悔しさのほうが大きいだろうが、最終戦まで日本のゴルフファンを大いに楽しませてくれたことは間違いない。
「4日間終われてよかったですし、昨年来られなかったぶん、ここでプレーできたこと自体がうれしかったです」
開催コースや大会の雰囲気が変わったことで戸惑う部分もあり思うように対応できなかったが、それも今後に向けてのいい課題となった。
シェフラーは“世界最強”の称号に相応しい戦い
結局、今季の松山はツアー競技19試合に出場して優勝が2回、予選落ちがわずかに1回だった。トップ10入り7回も安定した成績を証明している。これに「パリ五輪」の銅メダルが加わるのだから、成績的には満足のいくシーズンだったといえるだろう。
「勝ちたいと思ってスタートして本当に勝つことができて、もう1勝することができてすごくよかったなと思います。もうちょっと安定して上位で戦いたいというのもありますし。常にトップ10、トップ5で戦っていけば、メジャーで勝つチャンスも増えてくると思うので。そこに向けてしっかりと準備していきたいなと思います」
今後は9月26日からの「プレジデンツカップ」に出場するなど数試合には出場するが、シーズンオフの間に腰痛の原因を究明し、その一因でもある体力不足の問題も解消するつもりだ。
また、今大会で優勝し今季7勝目を挙げたシェフラーは初の年間王者となり、2500万ドル(約36億5000万円)を獲得した。今季は「マスターズ」を制し、「パリ五輪」では金メダル、そして年間王者とまさに“世界最強”の称号に相応しい活躍を見せた。
松山 英樹(まつやま・ひでき)
1992年2月25日生まれ、愛媛県出身。2013年にプロ転向し、同年は4勝を挙げてツアー初のルーキー賞金王に。14年から米ツアーを主戦場に戦い、21年の「マスターズ」で日本人男子初の4大メジャー制覇を達成。同年は日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」を制した。24年「パリ五輪」では日本男子ゴルフ初となる銅メダルを獲得。同年8月の「フェデックス・セントジュード選手権」を制し、自身が持つアジア勢単独最多記録を更新するPGAツアー10勝目を挙げた。日本ツアー8勝。レクサス所属。
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