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- 「102ホール連続」「29ラウンド連続」という数字が更新される!? 山下美夢有が今週挑む2つのツアー新記録とは?
「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」では最終日に「64」という驚異のスコアを叩き出した岩井明愛が大逆転優勝、2日目までトップだった山下美夢有は単独2位に終わり、またもや今季初優勝を逃した。しかし、賞金880万円を加算して「未勝利での1億円突破」を果たした。そんな山下は今週のトーナメントで2つの大記録更新に挑む。
自身が持つ「連続ホールボギーなしの記録」更新のチャンス
単独首位で最終日を迎えた「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」で岩井明愛に逆転を喫し、今季7回目の2位に泣いた山下美夢有。
シーズン初勝利はまたもお預けとなったが、データ面では年間女王に輝いた過去2年を上回っている。いくつもの部門で歴代最高の数値を叩き出す勢いなのだ。さらには今週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」では2つの記録更新もかかっている。
優勝がないにもかかわらず獲得賞金は1億円を超えて、メルセデス・ランキングでは6勝を挙げている竹田麗央に次いで2位。優勝という要素が極めて重要な意味を持つプロゴルフの世界である意味アンバランスな結果を残している山下の強みは圧倒的な安定感である。
まず、竹田を抑えて1位に立っている平均ストロークの数字がすごい。現在69.2477。これは昨年、山下自身がマークした69.4322という歴代最高を塗り替えるチャンスなのだ。同部門2位の竹田も69.2646という記録更新ペースで、メルセデス・ランキングだけでなく、平均ストロークでの2人の争いも見ものだ。
山下の驚異的な平均ストロークを支えているのが卓越したパーセーブ力にある。ボギーなどでスコアを落とすホールが恐ろしいほどに少ないのだ。
山下のパーセーブ率は92.1509%である。分かりやすく表現すると1ラウンド平均でボギー(それより悪いスコアも含む)がたったの1.4個ほどしかないわけだ。同部門の歴代最高は2016年にイボミが記録した91.0112%。山下はこれを大幅に上回っている。
特に夏場以降はパーセーブ率が急上昇している。6月の「ニチレイレディス」2日目10番ホールから始まった連続ホールボギーなしの記録は途中海外メジャーやパリ五輪などをはさんで今月の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」初日4番ホールで途切れるまでツアー新の102ホールにまで伸びた。従来の記録は勝みなみが2022年にマークしていた87ホール連続だったから、文字通りケタ違いの新記録だ。
これだけでは終わらない。さらに「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」2日目(インスタート)16番ホールからまたもやボギーなしの進撃を始め、「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」終了時で再び102ホール連続にまで伸ばしたのだ。今週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で自らの記録を塗り替え、どこまで続けるのかにも注目だ。
渋野日向子の「連続ラウンドオーバーパーなし記録」も更新の可能性
今週はもう一つ大記録がかかる。それは連続ラウンドオーバーパーなしの記録である。山下は「RKB×三井松島レディス」初日から29ラウンド続けてイーブンパー以内でプレーしており、2019年に渋野日向子がつくったツアー記録に並んでいるのだ。「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」は2年前の初日に自身がツアー新記録の60を叩き出した大会。再びここで大記録を、しかも一気に2つもつくるチャンスである。
パーセーブする確率が驚異的に高いということは、グリーンを外しても簡単にはボギーを叩かないということになる。パーオンできなかったホールでパーセーブ(バーディを含む)する確率をリカバリー率というが、山下のそれは77.1318%。これまたアンソンジュが2014年にマークした74.8879%の歴代最高を凌駕している。
実は山下はパーオン率やフェアウェイキープ率が昨年より少し悪い。だからショットに関しては、なかなか威勢のいい言葉は出てこない。1ラウンドあたりの平均バーディー数も歴代最高を叩き出した昨年の4.3828から落ちる4.1468。これでも十分に超ハイレベルなのだが、本人は納得がいっていないだろう。
ただ、思うようなショットが打てない中で平均ストロークをはじめ数々の歴代最高レベルのデータをマークしているのは総合力がさらに上がった証拠でもある。女子ツアーは残り10試合になったが、一つきっかけをつかめれば立て続けに勝っても不思議ではない。
山下 美夢有(やました・みゆう)
2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初勝利。22年シーズンは5勝を挙げ、史上最年少21歳103日での年間女王を達成。続く23年も公式戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む5勝を挙げ、2年連続賞金女王の偉業を達成。24年は日本代表として「パリ五輪」に出場し4位タイに入った。ツアー通算11勝。加賀電子所属。
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