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“新時代のゴルフ”でタイガー・ウッズがスロープレーにより“一発1ペナ”! 5時間半かかる惨状放置の“大甘”PGAツアーはどうする?
いよいよキックオフしたリアルなゴルフとバーチャルゴルフを融合させた“新時代のゴルフ”。チーム同士の熱戦が繰り広げられているが、試合そのものよりも話題となっているのが、リアルのゴルフより格段に厳しい「スロープレー」へのペナルティーだ。
「ショットクロック」で40秒経過すると自動的にブザーが鳴る
リアルなゴルフとバーチャルゴルフを融合させた“新時代のゴルフ”という謳い文句で、今年1月からキックオフしたTGLは、1月27日に第4戦を迎え、タイガー・ウッズが率いる「ジュピターGL」とローリー・マキロイらの「ボストン・コモンGC」が激突する待望のマッチとして注目されていた。

しかし、この第4戦で勝敗以上に話題になったのは、ウッズがスロープレーでペナルティーを課されたという、まさかの出来事だった。
とはいえ、これは従来の「スロープレーによるペナルティー」とは、計測の方法もペナルティーの課し方も異なるものだ。
TGLの舞台である米フロリダ州パームビーチガーデンズのSoFiセンターは、ハイテク機器が完備された「新時代のスタジアム」であり、そこには「ショットクロック」なるものも設置されている。
ショットクロックは、各々の選手が1打に要した「所要時間(秒数)」を、その都度リアルタイムでデジタル表示する機械だ。
TGLでは、1打の持ち時間は「40秒」と規定されており、40秒を超えてしまうと、その瞬間「ブー!」と大きなブザー音が鳴る仕掛けになっている。
ウッズとマキロイは第4戦で熱戦を繰り広げ、「1-1」で迎えた10番でマキロイが先にバーディーパットをまず沈め、次にウッズが2.5メートルのバーディーパットに臨もうとしていたそのとき、ショットクロックが「ブー!」と音を立て、周囲を驚かせた。
機械ゆえに、忖度はない。たとえ相手がメジャー15勝を含む通算82勝を誇るゴルフ界の王者でTGLの創始者の1人でもあるウッズであっても、このショットクロックは容赦なくブザー音を鳴り響かせた。
そして、TGLの規定により、ウッズのチームであるジュピターGLには、即座に1罰打のペナルティーが課された。
それでも、最終的にはジュピターGLが「4-3」でボストン・コモンGCに勝利したのだが、米ゴルフ界、いや世界のゴルフ界の関心は、もはや勝敗ではなく、ウッズがスロープレーによってペナルティーを課されたという出来事に向けられていた。
そもそもウッズはクイックテンポでプレーする選手と見られてきたはずで、そのウッズが「スロープレーでペナルティー?」と、ゴルフ関係者の多くが首を傾げたことだろう。
しかし、一番驚いたのはウッズ自身だったのではないだろうか。
「呼吸を整えてからパットしようとしていたんだけど、思った以上に時間がかかってしまったらしい。非は僕にある。すべては僕の責任だ」
スロープレー対策は「“本当のペナルティー”を課すことだ」
ペース・オブ・プレーの問題、いわゆる「スロープレー問題」は、プロ、アマを問わず、ゴルフ界全体の長年の懸案事項だが、なかなか解消も撲滅もされず、近年は、むしろ悪化している感さえある。
そんな中、TGLにおいてショットクロックを使用してスロープレーを規制するという新施策が採用されていること、そのショットクロックによってスロープレーヤーだと認定された初の選手が、こともあろうにウッズだったことは、誰にとっても驚きだった。
この事実を受けて、米スポーツイラストレイテッドは同誌のゴルフ記者たちによる座談会を実施。どうしたらスロープレーを改善することができるのかを討議したところ、さまざまな意見が出された。
「ショットクロックをPGAツアーでも採用すべきか?」という問いかけに対し、ある記者は「ティーイングエリアにもフェアウェイにもグリーンにもショットクロックを置いて、その場でその都度計測するというのは現実的ではない。でも、特定の2、3試合に限定して、実験的にショットクロックを採用してみるのはいいかもしれない」と前向きだった。
しかし、別のある記者は「どれだけピンに寄せられるかを競う“ニアピンコンテスト(寄せ合戦)”ならともかく、PGAツアーの戦いにおいて、ショットクロックはそぐわない」。
さらに別の記者も「ショットクロックはテニスなど他のスポーツでも採用されているけど、ゴルフでも採用するとしたら、特定の時間内に何かを競うというTGL的なゲームならOKだが、PGAツアーの通常のストロークプレーには適さない」。
それならば、PGAツアーに適するスロープレー対策は何だと思うのかと問われると、その記者いわく、「“本当のペナルティー”を課すことだ」。
PGAツアーでは、原則としてペナルティーは公表されないことになっており、どの選手に、いつどんなペナルティーが課されたのかは、選手サイドから明かされたり漏れ出したりしない限り、周囲には知る術がない。
そして、スロープレーに関しては、PGAツアーでこれまでに罰金を受けた選手はいるものの、罰打を受けた実例はほぼ皆無に近い。
大金を稼いでいるトッププレーヤーにとって、罰金は微々たるもの。しかし、1打の重みはきわめて重く、その重い1打を払うペナルティーがPGAツアーでは実際には課されていないことが、スロープレーの改善につながらない原因の一つであることを、この記者は指摘し、「本当のペナルティ」、つまり1罰打を課すべきだと主張したのだろう。
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