初優勝は「フジサンケイレディス」 ツアー3勝女子プロが語った“大会中止”に対する思い… そしてツアー復帰を決めた理由

　今季の目標について聞くとそこも明確で、やるからには“勝ちたい”との思いが強い。

「ステップ・アップ・ツアーに出ようと思っていますが、たくさん出場するのは難しい。なので2～3試合くらいに絞ろうと思っています。もちろん出た試合では優勝したい」

　育児とゴルフの両立、自身のライフスタイルに合わせて試合に出ると決めた。練習をおろそかにしているわけでもない。ツアー参戦時は腰痛の影響で負荷をかけたトレーニングをやめていたが、痛みがない現在は器具を使ったスクワットなどを始めたと言う。

「飛距離は昔より飛んでいるかなって。ドライバーは平均で230ヤードくらいだったのに今は250ヤードくらい飛んでいて、トレーニングの成果を感じています。筋肉はしっかりやれば返ってくるので裏切らない（笑）」

　大江の試合で思い出すのは、プロ4年目でツアー初優勝を手にした12年の「フジサンケイレディスクラシック」。

　アマチュア時代は宮里美香や藤本麻子とナショナルチーム入りした実力者だが、初シードはプロ3年目（11年）にしてようやく獲得。その翌年に悲願だった初優勝を手にしている。苦労したからこそ、今もその時のことを鮮明に覚えている。

「初優勝の思い出はたくさんあります。だからこそ、歴史と伝統のある大会なので中止になってしまったのは残念ですよね……。大会コースが川奈ホテルGCというのも特別で、世界のゴルフ場100選に選出される日本の名ゴルフ場。選手はここで勝てるとすごく自信になると思うんです。自分のゴルフ人生においても誇れるもの。すごく意味のある大会なので残念ですが、来年以降は復活してほしい」

　プロになって初めて勝った歴史あるトーナメントで、自身の名が永遠に刻まれる大会の中止に胸を痛めていたが、きっと大江のように試合の復活を多くの選手が望んでいるに違いない。