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「西郷真央は池に飛び込んでくれるのか?」 運営側は最後まで気をもんでいた!? 伝統継続へ“勝負の3年目”
西郷真央(さいごう・まお)がメジャー初優勝を遂げた「シェブロン選手権」。この大会といえば、優勝者が18番脇の池に飛び込むことで有名だが、2年前に現在の開催コースに移転したことにより、その伝統が絶たれる可能性もあった。
「ジャンプはどうしますか?」「チームのみんなで飛び込みたいです」
女子ゴルフの今季最初のメジャー大会「シェブロン選手権」で5人によるサドンデス・プレーオフを制し、勝利を挙げた西郷真央に、米TV中継のインタビュアーが、ちょっぴり不安げに、こう尋ねた。
「さて、ジャンプは日本語では何て言うのですか? ジャンプはどうしますか?」
すると、西郷はにっこり笑い、「チームのみんなで飛び込みたいです」。
西郷のこの返答を聞いたとき、シェブロン選手権の大会関係者は、一斉に胸を撫で下ろしたことだろう。
「これで、歴史がつながった」。そんな喜びの声が聞こえてきた。

この大会の歴史を簡単に振り返ってみると、大会名は1972年の「コルゲート・ダイナショア・ウィナーズ・サークル」に始まり、以後、「ナビスコ・ダイナショア・インビテーショナル」「ナビスコ・ダイナショア」「ナビスコ選手権」、2002年から14年は「クラフト・ナビスコ選手権」、15年からは「ANAインスピレーション」という具合に目まぐるしい変化を遂げてきた。
もちろん、大会の冠スポンサーが変わったからこその大会名の変化だったことは言うまでもない。
しかし、戦いの舞台は、第1回から22年まで、すべてカリフォルニア州ランチョミラージュのミッションヒルズだった。
そして、優勝者が18番グリーン脇のポピーズポンドに飛び込み、白いバスローブを羽織ることは、長年の慣例として受け継がれてきた。
この慣習は1988年にエイミー・オルコットが大会2度目の勝利を挙げた際、うれしさのあまり、思わず池に飛び込んだことが発端となり、以後、優勝者たちに引き継がれてきたものである。
しかし、大会の冠スポンサーがシェブロンに変わり、開催コースがテキサス州ヒューストンのザ・クラブ・アット・カールトンウッズに移された2023年大会からは、このコースの18番グリーン脇の池の水が汚染されていて、構造的にも危険と見なされたため、この儀式の消滅が危惧されていた。
伝統的なチャンピオンズ・ダイブがこのままなくなってしまったら、それは選手たちが大きなモチベーションを一つ失うことを意味していた。
ネリー・コルダをはじめとする選手たちからは「あの大会は“私たちのマスターズ”だった。誰もが『プロになったら、あそこで勝ちたい』『あの池にダイブしたい』と目指してきた」といった声が上がり、そうした声にすぐさま耳を傾けたシェブロンとカールトンウッズは、ダイブ可能なレベルまで池の水を浄化するためのあらゆる努力を行なった。
カールトンウッズの池は、もともと人間が飛び込むことなど、まったく想定されていなかった池だったのだが、池底に生息しているワニやヘビが優勝者に近寄れないよう、水中にネットを張り巡らせて安全性を高める工夫も凝らされた。
そうやって大会関係者はみな、チャンピオンがダイブしてくれることを祈っていた。
そんな想いも汲み取り、カールトンウッズの池に最初にダイブしたのが、23年大会の覇者リリア・ヴだった。翌年、24年大会では、女王ネリー・コルダが勝利して、コルダも迷わずダイブした。
大会関係者は「歴史が途切れなくて良かった。リリアが飛び込み、ネリーもダイブしたのだから、もう大丈夫」と安堵したそうだ。
しかし、一昨年と昨年の優勝者がダイブしたからと言って、今年の優勝者が必ず飛び込むとは限らない。
米ゴルフウイークによると、トーナメント・ディレクターのグレン・ウェッカーリン氏は、チャンピオンズ・ダイブの儀式はもちろんのこと、この大会の歴史や伝統を途切れさせることなく後世につなげていくための努力を、一昨年も昨年も今年も、ずっと続けているそうで、今年もチャンピオンが池に飛び込んでくれるかどうかは、歴史を積み上げていくための大きな試金石になると見ていたという。
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