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スロープレーに大甘なPGAツアーが「組ごとに何時間かかったか」を初めて公表 ベテラン選手に名指しされたモリカワらの結果は?
PGAツアーは先週の「ロケットクラシック」からプレーにかかった所要時間をホールごと、組ごとに集計し、公式HP上で公開するという新施策を開始した。スロープレーに甘いといわれた同ツアーは変わるのか?
「警告1回で即1ペナ」という厳罰化をPGAツアーでも採用!?
そして先週のロケットクラシックでは、試合会場だったデトロイトGCの18ホールと各ホールにおける4日間それぞれの所要時間、そして毎日の各組の前半と後半それぞれの所要時間が、いずれもPGAツアーの公式HP上で初めて公表された。
初日の前半の所要時間は平均2時間20分、後半は2時間33分で、1ラウンドは4時間58分。2日目もほぼ同じ数字だった。
予選ラウンドは人数が多く、不調の選手も含まれていることが大きく影響していると思われるが、ハーフが2時間半、1ラウンドがほぼ5時間は、きわめてスローペースだった。
しかし、予選カット後の少数精鋭となった決勝ラウンドの2日間は、どちらもハーフがほぼ2時間、1ラウンドが4時間以内で収まっていた。3日目は3時間56分、優勝争いが繰り広げられた最終日は、さらに早い3時間50分だった。
組ごとの所要時間を見てみると、たとえばルーカス・グローバーから「パットのルーティンに時間がかかっている」などと指摘されてひと悶着があったコリン・モリカワは、初日はパトリック・キャントレー、キーガン・ブラッドリーと3サムで回り、前半が2時間21分、後半が2時間29分で、全体の平均値とほぼ同じだった。
3日目のモリカワは、ニコ・エチャバリアと2サムで回り、前半1時間51分、後半は2時間で、こちらも全体の平均値とほとんど変わらない数字だった。
ちなみに3日目の松山英樹はベン・グリフィンと回り、前半が1時間53分、後半が2時間2分、最終日も前半1時間54分、後半2時間3分で、やはり平均的なタイムだった。
勝敗を競い合ったアルドリッチ・ポットギータ―とマックス・グレイザーマンの最終日のタイムも前半1時間53分、後半2時間5分で、たとえ優勝争いをしていても、彼らのプレーは迅速だったことが見て取れる。
他の組を見ても、大半が平均値に近い数字であり、概してPGAツアーの個々の選手たちは、よほどのトラブルにでも陥らない限りは、押しなべて平均的なペースでプレーしていると見て良さそうである。
それならば、なぜスロープレーは長年の懸案事項のまま、解消されていないのかと首を傾げさせられる。
今回の決勝2日間の数字がきわめて良かったワケは、スコアがぐんぐん伸びるやさしいコースセッティングでトラブルが少なかったこと、そして「初めて公表される」ということで、選手たちがクイックプレーを通常以上に心掛けた可能性も大だったと考えられる。
それならそれで、公表することは効果的だということになるから、そうだったとすれば、ウエルカムではある。
選手たちの意識以外にプレーペースをスローにするものは、ルールの裁定に長時間を要したり、ボール探し、池ポチャ、大叩き、打球事故など、特殊な状況や出来事がいろいろ重なって、それらが積もり積もって全体のペースをスローにしてしまうことが大きな要因で、それらを引き起こす最大の要因は難しいコースセッティングだと言えそうである。
そして、フィールドの人数が増えれば、そうやって積み上げられる要因も増えるため、プレーペースはどんどん遅くなっていく。今回も、予選2日間は1ラウンドにほぼ5時間を要した。
とはいえ、そうした特別な事情がない場合でも、極端にプレーが遅い選手は数人いる。しかし、今回の公表では、「どの組が遅いか」は分かっても、「誰が遅いか」は分からない。今年3月の発表の際、「今後は氏名もタイムも公表してスロープレーを厳罰化する」とうたわれた割には、ちょっぴり拍子抜けさせられた感もある。
とはいえ、「何もしない」と囁かれていたPGAツアーが、ついに具体的に動き出したことは、大きな前進である。
望むらくは、「警告1回で即1ペナ」という厳罰化を、下部ツアーのみならずPGAツアーで早期に実施していただきたい。
文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
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