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- 世界最高峰の“死闘”に沸いた日曜日 女王・ティティクルも勝みなみを称賛「ミナミは本当にすばらしいゴルフを続けていた」
米女子ツアー「ビュイックLPGA上海」最終日。ほぼ手中に収めたと思われた勝みなみ(かつ・みなみ)の米ツアー初優勝は、またもやスルリと逃げて行った。
最終日を7バーディー、ノーボギーの「65」でプレーした勝
◆米国女子
ビュイックLPGA上海 10月9~12日 上海旗忠GC(中国) 6703ヤード・パー72
ほぼ手中に収めたと思われた勝みなみの米ツアー初優勝は、またもやスルリと逃げて行った。

3日目を終えて2打差の2位タイにつけたジーノ・ティティクル(タイ)、ミンジー・リー(豪)と最終組でスタートした勝は、この日も好調をキープ。
2番で右奥3メートルを沈めてバーディーを先行させると、4番のパー5でも3打目をピン左1.5メートルにつけて2つ目のバーディーをもぎ取った。さらに9番でも右1.5メートルにつけてこの日3つ目のバーディー。通算20アンダーの大台に乗せ、追いすがるティティクルに1打差をつけ単独トップでサンデーバック9へと突入した。
勝は後半に入っても安定したゴルフを展開。10番で右1メートルにつけて連続バーディー。さらに12、13番と連続バーディーを奪って23アンダーまでスコアを伸ばし、残り5ホールで2位のティティクルに4打差をつけ、優勝へと大きく近づいた。
しかし、現在世界ランク1位で米ツアーの実力ナンバーワンとの評価を揺るぎないものとしつつあるティティクルが、ここから凄まじい猛反撃に転じた。14番からはチップイン(15番)を含む3連続バーディーで22アンダー。上がり2ホールで勝との差を一気に1打まで詰めてきた。
17番で勝はティーショットがバンカーにつかまり、第2打をレイアップせざるをえなくなる。一方のティティクルは右のファーストカットから2オンに成功した。勝は残り162ヤードの第3打を8番アイアンで狙ったが、グリーンをショートさせてしまった。
しかし、ここからさらなるドラマの幕が開く。勝はここからランニングアプローチを選択。最後のわずかな左から右に切れるラインまで読み切って、チップインバーディー。24アンダーへとスコアを伸ばした。
しかし、ティティクルも上からのダウンヒル、7メートル強のイーグルパットをど真ん中からねじこんで24アンダー。これには並ばれた勝も称賛の拍手を送る。両者並んで、最終18番のティーイングエリアに立った。
まずティティクル。ドライバーは使わずにレイアップを選択しフェアウェイをキープ。一方の勝はドライバーを選択したが、フィニッシュで右手を離し苦笑い。ボールはやや左に引っ掛かったものの、ファーストカットに止まった。
先に打ったティティクルがグリーン左奥8メートルに2オン。勝の第2打はそのラインの内側6.5メートルに止まった。まずティティクルのパットは決まらず約1.2メートルオーバー。ラインを見せられた勝だが、このウィニングパットは決めきれない。両者とも2パットのパーで、勝負は18番でのプレーオフに持ち越された。
ここからなんと、5ホールに及ぶ壮絶な一騎討ちが始まった。
5ホールに及ぶプレーオフ一部始終
プレーオフ1ホール目。ともにフェアウェイからの第2打はグリーンオン。手前7メートルからまず勝のパットが右に抜けると、ティティクルも右奥3メートルのチャンスがカップの右に外れた。両者パーで譲らず。勝負は死闘の様相を呈していく。
プレーオフ2ホール目。フェアウェイをとらえた勝に対し、レイアップしたティティクンは左の池へ。絶体絶命のピンチに追い込まれたかに見えたが、第3打で右奥のマウンドを使い、ピン左1メートルにつけるスーパーショットを見せた。
一方の勝は、第2打をピン左5メートルにつけたものの、これがカップをのぞいたまま止まり入らず思わずヒザを折る。ティティクルに引導を渡す絶好のチャンスを逃してしまった。
ついに勝負は3ホール目の10番へ。ティティクルのティーショットが右のラフにつかまり、グリーンを右奥にオーバー。一方の勝はフェアウェイをキープし、ピン奥7メートルに2オンした。
ティティクルは奥から絶妙のアプローチで1メートルに寄せてパーセーブ。勝もまた、2パットのパーで勝負はまた18番へと戻った。まず残り140ヤードから勝が右4.5メートルに2オン。ティティクンは左6メートルから2パット。勝もこのバーディーパットに勝負をかけたが、またもや決められず右を抜けて行った。
勝負は5ホール目。再び10番へ。ずっとオナーを続ける勝はここでもフェアウェイをキープ。しかし、この第2打を大きくミスしてグリーンをショートした。これを見たティティクルはピン奥1.2メートルにつけるスーパーショット。勝も意地を見せてカップインを狙ったが、アプローチは右に切れて入らず。ティティクルは慎重にこのパットを沈めて優勝を決めたが、長丁場の激闘の疲れからか、しばらく立ち尽くしてから、大きくため息をついた。
仲間がシャンパンを手に見守っていた
番外勝負を母・久美さんを始め、プロ仲間の山下美夢有、竹田麗央、馬場咲希、吉田優利らがシャンパンを手に見守っていたが、残念ながらシャンパンシャワーはおあずけ。勝は仲間たちを順番にハグして「ありがとうね」と感謝の言葉を伝えた。
悔しい敗戦を喫した勝だが、その顔には「やり切った」達成感も浮かんでいた。
「けっこう自分もいいゴルフだったんですけど、ジーノ(ティティクル)がすごくいいゴルフをしていた。最後の方もチャンスはいっぱいあったと思うんですけど(パットを)入れられなかったのが負けた原因。チャンスがあれば、また優勝できるように頑張りたいと思います」と前を向いた。
ティティクルからも吸収したものは大きい。「トップランクの選手は落ち着いてラウンドしているのがすごい。チャンスの時にしっかり入れてきたり、ボギーを打った後もしっかりリカバリーしたりするのがすごく早い。そこは見習いたいな、と思いました」と言ってから、さらにこう続けた。
「まだまだ伸びしろがあるなというふうに感じたので、これからもっと強くなれるように頑張りたいと思います。優勝には届かなかったんですけど、今すごくいいゴルフができていると思うので、まだ試合はこれからありますし、これからチャンスをつかんでいけるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」。
ティティクルも「ミナミは本当にすばらしいゴルフを続けていたから、一緒にプレーしていて追いつくのは本当に難しかった。でも何とか追いつこうとして頑張った。数週間前に悔しい思いをしているので、神様には『私に努力をする機会をくれてありがとう』と言いたい」と、勝のプレーに称賛の言葉を贈った。
9月下旬の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」では第1ラウンドで「63」をマークして首位タイの発進を演じながら、悪天候のため大会が不成立になるという不運にも見舞われた。それでも気を取り直し、2試合連続で優勝のドアをノックし続けている勝が、それをこじ開ける日は近いはずだ。
なお、日本勢は山下美夢有が通算17アンダー4位タイ、畑岡奈紗が通算11アンダー18位タイ、吉田優利が通算9アンダー26位タイ、馬場咲希が通算8アンダー32位タイ、竹田麗央が通算6アンダー40位タイに終わった。
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