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- “谷間”の大会は「顔ぶれが極端にさびしくなっている」 PGAツアー改革論議で中堅選手が吐露した危機感
2027年からのPGAツアー大改革構想が波紋を広げている。フィールド拡大や予選カット復活に賛同が集まる一方で、シード削減や地方大会の衰退を懸念する声も噴出。変革と伝統のはざまで揺れる選手たちの本音が浮き彫りになってきた。
「予選カットはプロフェッショナルなゴルフにおける重要な存在だ」
PGAツアーのブライアン・ローラップCEOが明かした2027年シーズンからの大改革の方向性を示す6つのキーポイントは、その後あちらこちらで賛否両論を巻き起こしている。
ローラップCEOは、TPCソーグラスで開催された「ザ・プレーヤーズ選手権」の開幕前の会見で、27年からはシーズンを1月下旬から9月上旬までとすることや、その間に21~26試合を開催すること、シグネチャーイベントを現行の年間8試合の少なくとも2倍以上にすること、それらの全大会を「出場選手数120名で予選カットあり」とすること、ツアーを2層構造にすること、ニューヨークなど米国の主要マーケットに注力してファン層の拡大を図ること、シーズンエンドの大会にマッチプレー方式を導入することなどを語った。
「まだ何も決まったわけではない」と何度も念を押していたあたりには、ローラップCEO自身にも、まだ迷いや不安があるのだろうと想像され、PGAツアーの大改革がいかに難題であるかを物語っていた。

そして、肝心のPGAツアー選手たちの間でも、侃々諤々の論議を呼んでいる。プレーヤーズ選手権の翌週、同じフロリダ州内で開催されたバルスパー選手権の会場では、出場していた選手たちが複雑な想いを米メディアに語った。
現在のPGAツアーでは年間8試合のシグネチャーイベントが開催されており、レジェンドゆかりの3大会(ジェネシス招待、アーノルド・パーマー招待、メモリアルトーナメント)以外の5大会は、いずれも「70名前後の少数フィールドで予選カットなし」で行われている。
そんな中、パトリック・ロジャーズ、マッケンジー・ヒューズ、ジョー・ハイスミスといった中堅選手たちは、27年からはシグネチャーイベントすべてが「120名、予選カットあり」になるという方向性に、一様に賛同の意を示した。
ロジャーズいわく、「シグネチャーイベントの出場資格を得て実際にその場に行けば、選手としては予選カットはない方がプレッシャーがなくて楽なので、そりゃあ、ありがたい。でも、それに慣れてしまうとどうなるか。最近は、スコッティ・シェフラーやローリー・マキロイでさえ、(他の試合で)予選通過のために必死になったことがあった。予選カットはプロフェッショナルなゴルフにおける重要な存在だ。選手にとっては楽しめないものではあるが、予選カットはなくてはならないものだ」
ヒューズは「72名前後のフィールドは、あまりにも少数すぎる。120名に増やされれば、競争性は間違いなく高められ、熾烈な戦いになる。プロゴルフにとって望ましいことだ」と高く評価した。
一方で、現在のPGAツアーの大会開催地を見直すなどして、今後はニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、ボストンといった米国内の主要なマーケットに注力するという方向性に対しては、若干、首を傾げている。
「大都市に目を向けたからと言って、必ずしも成功するとは限らない。かつてボストン近郊のハートフォードで行なわれていた試合は、あまり盛り上がらなかった。とはいえ、大都市に目を向けることは悪くはない。でも、そのせいで、これまで長年PGAツアーと緊密な関係を築いてきたスモールタウンを切り離すことは望ましくない」
ハイスミスも、シグネチャーイベントの間に挟まる形になった「コグニザントクラシック」の出場選手の顔ぶれが、極端にさびしくなっていることを例に挙げ、「かつての人気大会やその舞台であるコースや街が、どんどん忘れられつつある」と残念がっていた。
斬新な変化を求めるあまり、歴史や伝統、これまでの歩みが台無しになることは避けたいと、彼らは口を揃えて主張していた。
「コネがない選手から見ればスポンサー推薦はきわめてアンフェアだ」
そんなふうに、ローラップCEOが明かした6つのキーポイントが取り沙汰されている一方で、今回の会見では明かされなかった方向性もあるようで、そのうちのいくつかは、すでに選手たちの間から「新説」という形で漏れ聞こえ始めている。
選手にとってシード権が得られるかどうかは死活問題だが、長年、上位125名とされていたシード選手の人数は、今季から100名に縮小されている。
しかし、その人数が27年からは、さらに縮小されて「90名になる」という新説が浮上している。
「100名でも厳しいのに、90名になったら、とんでもなく厳しくなる」とヒューズが語気を荒げていたように、シード選手の人数のさらなる縮小に関しては、今後、激しい論議が巻き起こりそうである。
さらに、27年からは「スポンサー推薦が廃止される」という新説も浮上している。しかし、これについては「親や家族のネームバリューなどによってスポンサー推薦を得たり、過去の栄光を理由にいつまでもスポンサー推薦で出場する選手がいることは、そうしたものがない選手から見れば、きわめてアンフェアだ」等々、スポンサー推薦廃止に賛同する声も聞こえている。
“賛否”が大きく分かれているのは、シーズンエンドのプレーオフにマッチプレーを導入するという方向性についてである。
ヒューズは「マッチプレーを導入する大会で、何を選び出そうとするのかを、まず第一にきっちり定めるべきだ。その大会におけるベストプレーヤーを選び出したいのか、それともシーズンを通じたベストプレーヤーを選び出そうとするのか」と語り、ゴールを決めずして方法だけを論じても意味はないと指摘。
その上で「マッチプレーは、ドキドキ感は得られる」とも付け加え、さらにもう一つ、懸案事項も付け加えた。
「マッチプレーといえば、(かつての)マッチプレー選手権では、長年、人気選手が早々に敗退してしまい、ファンを落胆させるといった問題が続いていた」
同じことが、フェデックスカップチャンピオンを決する大事なプレーオフで起こらないとは限らない。
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