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- コース下見、選手取材、120人分の資料作成… 女子ゴルフ中継前日のリアル
ゴルフ中継は、選手がティーオフするずっと前から始まっている。コース下見、選手取材、映像確認、そして120人分の資料作成――。ステップ・アップ・ツアー中継の現場では、限られた時間の中で“伝える準備”が静かに進んでいた。
“カメラからどう見えるか”を歩いて確かめる前日準備
先週はステップ・アップ・ツアー第5戦「ツインフィールズレディーストーナメント」(石川県)の中継に行ってきました。
通常、現地入りするのは試合前日のお昼前後。前日は主に、コースの下見、出場選手やペアリングの最終確認、そして取材を行います。
コースの下見は、解説・ラウンド解説を担当されるプロと一緒に回ることがほとんどです(今回、解説は塩谷育代プロ、ラウンド解説は下村樹美プロでした)。

「ここは選手の立ち位置で景色が変わるね」「このあたりのラフは嫌だよね」「縦長のグリーンなのにセカンド地点からだと全くそうは思えないね」
そんな何気ない会話の中に、実は中継のヒントがたくさん隠れています。
「カメラからはどう見えるだろう?」と想像するのも欠かせない時間。ゴルフ中継では、プレーヤーの後方からだけでなく、“受けカメラ”と呼ばれる、選手の目線とは真逆からの映像も多く使われます。時にはイントレ(カメラを高い位置に置く足場)の上に登って、見え方を確認することもあります。
例えばラウンドリポーターを担当している時、「このバンカーはカメラから映らないな」と分かれば、リポートで情報を補います。逆に映像でしっかり伝わる位置なら、別の情報を優先することもできるわけです。
さらに、初めてのコースでは自分が歩く導線も確認します。いかに効率よく動けるかをイメージしておくのです。
速報板の位置も必ずチェック。否が応でも目に入る場所なのか、上位何名まで表示されるのか、カットラインは出るのか。そういったことも、選手の心理状況を想像するための大切な要素です。
120人全員に物語がある 中継スタッフの終わらない資料作り
ただ、前日は毎回ジレンマも……。
コースをじっくり見たい。解説の方とコミュニケーションをとりたい。でも、選手の取材もしっかりしたい。
「この選手には今日話を聞いておきたい」と思っていても、下見をしている間にすれ違ってしまうこともしばしば。やっと会えたと思っても、集中してパッティング練習をしている時なら、終わるまで待とうと思っているうちにタイミングを逃してしまうこともよくあります。

さらに今回は、初日の放送で使用する選手インタビューの事前収録もあり、時間の使い方はいつも以上に難しく感じました。
そして実は、全出場選手が確定するのは夕方以降。欠場などによって空いた枠に、現地ウェイティングの選手たちがQT順位に従って繰り上がり、最終的なペアリングが完成します。
スカイAのステップ・アップ・ツアー中継では、初日に全選手のティーショットをお届けします。つまり今回でいうと、120名分の資料が必要です。
プロフィール、成績、最近の出来事、前週の結果、気になるトピック――。120人全員を詳しく話しすぎても、放送は重くなってしまう。でもその一方で、“120分の1”を楽しみに中継を見てくださっている方もいる。だからこそ、たとえ放送で触れられなかったとしても、120人全員の”背景”を準備しておきたい。
そして翌朝8時。トップスタートの組のティーオフとともに3日間の中継がいよいよスタートします!
小西 綾子(こにし・あやこ)

大阪府出身。日本体育大学 大学院体育科学研究科修士課程修了。大学院卒業後、スポーツ科学関連への進路もあったが、身近に感じたスポーツの楽しさ、醍醐味を伝える仕事をする決心をし、それまでのキャリアを捨てしゃべり手としての人生をスタート。ゴルフ中継の実況、ラウンドリポートに定評あり、インタビュアーとして選手からの信頼も厚い。主な出演番組は「JLPGA レギュラーツアー・ステップアップツアー中継」実況・ラウンドリポーター・インタビュアー(スカイA、U-NEXT)、「マナミ&光里のGOLF LOVERS」司会(J:COM BS、ゴルフネットワーク、スカイA )
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