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- えっ、親指を離すの!? 山下美夢有のバックスイングに隠された“スライス防止”のヒント
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、米国女子ツアー「マイヤーLPGAクラシック」を制して今季初勝利を飾った山下美夢有(やました・みゆう)選手のスイングに注目しました。
リキみを防いでアウトサイド・インを抑える効果
「マイヤーLPGAクラシック」で米ツアー3勝目を挙げた山下美夢有選手。そのドライバーショットのスロー動画がLPGA公式SNSで公開されていました。
注目してほしいのは、バックスイングでの右手の親指の使い方です。右腰の高さからトップにかけて、なんと親指をグリップから離してクラブを上げているのです。

この動画は練習ラウンド中に撮影されたものだったため、改めて試合中のスイングも確認してみました。すると、動画のように親指が完全に離れる場面は見られなかったものの、どのショットでも右手の親指と人差し指の力を抜いてバックスイングしているようでした。
山下選手のこの指先の力加減は、スライスに悩む人や、スイング中についリキんでしまう人にとって参考になるポイントです。
右手の親指と人差し指でグリップを強く握ると、前腕は内側に回りやすくなります。いわゆる「回内」という動きです。手のひらが下を向くように腕が回ると、ダウンスイングで手元が前に出やすくなり、アウトサイド・イン軌道を招いてしまいます。
また、この2本の指に力が入ると肩にも余計な力が入り、スムーズにクラブを振れなくなるという弊害もあります。一方、右手の親指と人差し指の力を抜くことで肩のリキみも取れ、ヘッドがアウトサイドから下りてくる動きを抑えやすくなるのです。
ただのマネは危険! 山下流が通用する人・しない人の違い
ただし、この力加減をそのままマネする際には注意点があります。今回紹介した動画で山下選手は親指をグリップから完全に離していますが、これができるのはフックグリップでシャットにフェースを使っているからです。
トップポジションでフェースが上を向くシャットフェースの人なら、切り返しで右手人差し指の付け根にクラブを当てて支えられるため問題ありません。しかし、スクエアフェースやオープンフェースの人が親指を離してバックスイングすると、切り返しでクラブを支え切れず、挙動が不安定になってしまいます。
そのため、トップでフェースが真上を向く人以外は、指先の力を抜く感覚だけを参考にしつつ、右手の親指と人差し指の間は締めたまま、指先をグリップに軽く添えてバックスイングするのがおすすめです。この方法なら、切り返しでクラブを指の間に受け止めることができます。
なお、親指と人差し指の間を締めながら、指先だけの力を抜く感覚は、クラブがなくても身に付けられます。仕事の合間などにペンを握って練習するだけでも十分です。右手の親指と人差し指の使い方を覚え、スライス改善につなげていきましょう。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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