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- 飛距離154位なのにツアー歴代最速で500万ドルを稼ぎ出す! 山下美夢有が38試合で達成した歴史的快挙
山下美夢有(やました・みゆう)が米女子ツアー参戦38試合目で生涯獲得賞金500万ドルを突破し、歴代最速記録を樹立しました。世界の強豪を上回る驚異的なペースで積み重ねた快挙の価値を、データとともに振り返りました。
リディア・コらが持っていた最速記録を更新
「KPMG全米女子プロ」で12位タイに入った山下美夢有が米女子ツアーの生涯獲得賞金(ツアーメンバーになった2025年以降のもの)が500万ドルを突破した。参戦2年目、38試合目での500万ドル突破は並み居る強豪を抑えてツアー歴代最速の大記録となった。
7打差12位タイから2試合連続優勝と昨年の「AIG全英女子オープン」に続くメジャー2勝目を目指した山下の最終ラウンドは4バーディー、3ボギーの71にとどまった。順位は変わらず12位タイ。すっきりしない1日になっただろうが、一方で見事な記録を打ち立てていた。
それは生涯獲得賞金500万ドル突破のツアー歴代最速記録だ。
大会前までの山下の生涯獲得賞金は483万1215ドルだった。前週の「マイヤーLPGAクラシック」優勝で48万7500ドルを加えて、一気に数字を伸ばしていた。

そして「KPMG全米女子プロ」で21万0368ドルを加算。計504万1583ドルとなり、日本選手では宮里藍、畑岡奈紗、笹生優花、古江彩佳に続く5人目、ツアー全体では108人目の500万ドルプレーヤーとなったのだ。
驚くべきはそのスピードだ。山下はツアー参戦2年目、わずか38試合目で500万ドルに達したのだが、これは従来の記録だったリディア・コ(ニュージーランド)とコ・ジンヨン(韓国)の51試合目を大幅に塗り替えるものなのだ。2人のコはともに世界ランキング1位経験者で近年のツアーを代表する強豪である。賞金額が年々増加している背景はあるにせよ、歴史的な快挙と言っていい。
昨年、米女子ツアーに参戦した山下はメジャーの「AIG全英女子オープン」を含む2勝を挙げ、ルーキーでは歴代最高額となる354万5888ドルを稼ぎ出して賞金ランキング3位に食い込んだ。今年はここまで1勝で獲得賞金は149万5695ドル。部門8位につけている。昨年の賞金ランキング10位以内で今年も現時点でトップ10に入っている選手は山下のほかネリー・コルダ(米国)とチャーリー・ハル(英国)だけである。
山下の強みは何といっても安定感だ。ツアーメンバーになってからの38試合で予選落ちは3試合だけ。25位以内には27試合も入っている。これは、ここ2年間の集計ではツアー最多の数である。
トップ10は18試合。ジーノ・ティティクル(タイ)の19試合には及ばないが、コルダと並んで2番目に多い数。世界ランキング1、2位のコルダ、ティティクルと互角に渡り合っているというわけだ。
すでに国内で稼いだ賞金総額を上回る
これだけすごいことを、身長150センチという小柄な山下がやってのけていることがまたスゴい。山下の今年のドライビングディスタンスは249.29ヤードで部門154位にすぎない。ランクインしているのは166人だから、下から数えたほうが圧倒的に早い位置である。
対してコルダは277.19ヤードで部門9位。女王には30ヤード近い差をつけられているわけだ。ティティクルは270.55ヤードで部門34位。やはり大差をつけられている。それでも食らいついていけるのは確かな精度と卓越したショートゲームがあるからだろう。
山下はツアーメンバーになる前から2024年「KPGA全米女子プロ」2位タイなど好成績を残している。参戦前の獲得賞金は日本開催を除いて126万0517ドルにものぼる。これは米女子ツアーの生涯獲得賞金には加算されないが、合わせると630万2100ドルとなる。1ドル160円で計算すると10億0833万6000円という巨額だ。ちなみに、山下の国内ツアーの生涯獲得賞金は7億5201万1718円である。
米女子ツアーのスケジュールは31試合中17試合を消化した。メジャーは残り2試合だ。ディフェンディングチャンピオンとして臨む「AIG全英女子オープン」や「メイバンク選手権」も控えている。どこまで賞金額を伸ばしていくか、楽しみにしたい。
文・宮井善一(みやい・ぜんいち)
1965年和歌山県生まれ。スポーツニッポン新聞社ゴルフ担当記者を経て2004年にフリーのゴルフライターに。ゴルフ雑誌などへの執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動し、現在は日本ゴルフ協会のゴルフ学芸員として日本ゴルフ殿堂、JGAゴルフミュージアムなどに携わっている。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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