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- 青木瀬令奈が4年ぶりツアー2勝目「励まし続けてくれたコーチに感謝」
宮里藍サントリーレディスで青木瀬令奈が最終日を5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算17アンダーで逆転勝利を収めた。2017年ヨネックスレディス以来、通算2勝目。上位2選手に与えられるAIG全英女子オープン(8月19日~22日 スコットランド・カーヌスティGL)の出場権も獲得した。 ◆国内女子プロゴルフ<宮里藍サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 6月10日~13日 兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部 6517ヤード・パー72>
青木瀬令奈が4年ぶりの勝利に感謝の涙
最終日をトップと4打差の2位タイから出た青木瀬令奈。首位の稲見萌寧がここまでの3日間をノーボギーの完璧なラウンドをしていたこともあり、誰もが稲見の優勝を確信していた。
だが、最後まで何が起こるか分からないのがゴルフのおもしろいところ。
青木が5、6、8番でバーディーを奪ってスコアを伸ばすと、一方の稲見はパープレーが続き、9番をボギーに。ここで青木が首位に並ぶと、11番で単独首位に立った。
「3人(青木、稲見、木村彩子)ともずっとパーが続いてスコアが動かない中、私がバーディーを取ることができたのでヨシ!と思いました。ただ、萌寧ちゃんの世代の子はすごく強いし、なかなかミスすることがない。だから、自分が頑張るしかないなという気持ちで今日はやっていました」。
さらに16番でバーディーを取って、追ってくる稲見を突き放した。1打差での辛勝だったが、4年ぶりに勝利の美酒を味わった。
「今年は本当に不振だったので、しんどかった。でもそんななか、2015 年からずっと大変なときも支え続けてくれて、励まし続けてくれた大西(翔太)コーチに感謝の気持ちでいっぱいです。今日も途中笑わせてくれようとして、私は笑わないと決めてたので、何度も笑いをこらえながらのラウンドでした」。
引退の不安乗り越え「ゴルフに終わりを作らずに生きる」
支えてくれた大西コーチへ感謝の言葉を述べつつも、涙が止まらなかった。それはここまで来るのに引退を考えたこともあったからだ。歳を重ねていつまで現役が続けられるのだろうか――。思うような成績が残せないなか、青木は不安と戦っていた。
「コロナ禍で試合がなくなり、去年から(引退を)思い始めたのはあります。いろんな人たちが将来に対して不安だったり、失業した方もたくさんいるなかで、自分の数年後を考えたときにどうしようかなとふと思ってしまったことがあって……。辞めたら何しようかなとか、去年あたりから何歳までにしようかなとか、終わりを自分で決めた部分が少しありました」。
そんな後ろ向きの思考を改めたのは先月のことだ。隣で支えてくれた大西コーチの支えが大きいと何度も口にした。
「終わりを決めずに、自分が今いる所が来たかった場所だからと思いなおしました。それをずっと大西コーチも言い続けてくれた。ゴルフに終わりを作らずに生きていこうと思いました」。
雑念を吹っ切った矢先の優勝。技術的な鍛錬も重要だが、ゴルフはメンタルと言われる所以だろうか。青木は迷いを振り払い、自分に打ち勝った。
今シーズンは敵なしの稲見に競り勝ったことで、まだまだやれることを証明してみせた。
「強く優勝したいと待ち続けた1週間でした。一つ一つの積み重ねを怠ることなく、また3勝目に向かって頑張りたい」。
まだ28歳。後ろを振り返っている暇はない。
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