藤田さいき、松森彩夏、植竹希望以外の上位選手は全員未勝利
5ストローク以内の上位12人中、9人が初優勝を狙うし烈な戦いが繰り広げられる。
フジサンケイレディス2日目(静岡・川奈ホテルGC富士C)は、前日首位の高橋彩華が2つスコアを伸ばして通算10アンダーで首位を堅守。
この日、8バーディー、ノーボギーの猛チャージをした木下彩が1打差で追走。さらに1打遅れて藤田さいき、安田祐香、松森彩夏の3人が続いている。

2週連続優勝がかかる植竹希望は、田辺ひかりと並ぶ通算6アンダー6位、通算5アンダーの野澤真央ら5人も大逆転を視野に入れている。
11年ぶりのツアー6勝目に向かう藤田、先週優勝の余韻が残る植竹、6年ぶり2勝目を狙う松森以外は全員が未勝利。快晴微風の予選2日間とは打って変わって、風雨の予報の川奈でサバイバルゲームが予想される。
優勝に最も近い位置にいる高橋は、昨年まで何度も優勝争いをしながら未勝利のまま。
それだけに「緊張は絶対すると思うので、どう向き合うかです」と、自らに言い聞かせる。
優勝しそうでできない状況に悩み、様々な人の話に耳を傾ける中で「その位置にいること自体がすごいんだよ」と言われて気持ちが楽になった。これまでの自分に対しては「出ないオバケを怖がってどうするって感じです」と吹っ切れた表情を見せ、初優勝に挑む。
1打差の木下、2打差の安田祐香もそれぞれ未勝利。「優勝、優勝って思うと緊張しちゃうので」(木下)「このチャンスを生かせるように悔いなく3日目をラウンドできたらと思います」(安田)「ショット、パットともに自分なりの目標を持ってやれれば、結果的にスコアにつながるのかな」(松森)と、それぞれ自然体で最終組での戦いに挑む。
もっとも経験豊富な37歳の藤田も、肩の力は抜けている。「(最後の優勝から)11年も経つと、そんなに強い思いというわけでもないです。でも若い子を見てて優勝したいな、という単純な思いでやっています。明日は寒いと、若い子より体が動かないので」と、自分のペースを守って臨もうとしている。
6ホールのプレーオフでようやくつかんだ初優勝からの2週連続優勝が懸かる植竹は、「お天気(予報)が悪いので、その中で伸ばせたら優勝のチャンスもゼロじゃないのかなって思ってるので、集中して頑張りたいなと思っています」と4打差逆転に意欲を見せる。
この日、4番ティーで足を滑らせて転び、着いてしまった手に違和感があるのが不安ではあるが、その後のプレーも悪くなかっただけにあなどれない。
天候次第ではあるが、植竹と並ぶ通算6アンダーの田辺、通算5アンダー8位の野澤真央、後藤未有、佐久間朱莉、上野菜々子、浜田茉優ら首位から5打差以内に12人がひしめく混戦模様。
天候によって牙をむくコースで、それぞれの思いが交錯する最終日に注目だ。