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- “ミケルソンの元相棒とコンビネーションが光る” ジャスティン・トーマスが7打差からの逆転優勝
首位と7打差でスタートしたジャスティン・トーマスが5バーディ、2ボギーの67で回り、ウィル・ザラトリスとのプレーオフに進出。3ホールでの合計ストローク勝負となったが、2アンダーをマークし、1アンダーのザラトリスを下し2度目のメジャー制覇、そして、ツアー通算15勝目を飾った。
プレーオフに勢いをもたらした最終18番でのアグレッシブな攻め
これがメジャーチャンピオンの底力なのか。ツアー14勝、ワールドランキング9位のプライドなのか。17年に今大会を制したジャスティン・トーマスが首位との7打差を追いつき、プレーオフに進出。ウィル・ザラトリスとの3ホールに及ぶ一騎打ちを制し、自身2度目のメジャー制覇を果たした。
「開催コースのサザンヒルズCCはとてもタフなコースでしたが、フェアウェイさえ捉えればバーディーを取れると思っていました。今日の自分は非常に辛抱強くプレーできたと思います」とトーマス。
前半の9ホールは2バーディー、2ボギーのパープレーでじっと耐えるゴルフを展開。その間、上位がスコアを崩し、徐々に差を縮める。後半に入り、11、12番で連続バーディーを奪うと、一気に首位を射程圏にとらえる。
17番パー4でこの日5つ目のバーディーを奪い、首位と1打差にすると、最終18番パー4で勝負をかけた。
18番パー4は490ヤードと長く、右サイドからフェアウェイを横切るようにクリークが流れている。フェアウェイキープが難しく、難易度も1位のホールだが、勝つためにはバーディーが必要だと考えた。そのためにはボールを曲げたくないが、飛距離も稼ぎたい。
キャディと相談しながらトーマスが選んだ作戦は、ドライバーで低いボールを打つことだった。その作戦どおりにフェアウェイ右に落ちたボールは面白いように転がっていき、317ヤード地点に止まる。
残り168ヤードをピン上約3メートルにつけるスーパーショットを披露。惜しくもバーディーパットを外したが、この積極的な攻め方ができたからこそ、プレーオフにも勢いを持ち込むことができた。
逆に、17番まで1打リードしていたチリのミト・ペレイラは守りにいったことでティショットを右に曲げてクリークに入れてしまう。結局、ダブルボギーを叩き、プレーオフに進出できず、3位タイに終わっただけに、トーマスとの差が際立った。
昨秋から組んだ新コンビで初のメジャー制覇
プレーオフでは最初の2ホールでバーディーを奪い、2アンダーでまとめたトーマス。1アンダーのザラトリスを1打差で振り切ったが、「プレーオフに進出できたこと自体が信じられなかった」と振り返る。
7打差からの大逆転劇にホールアウト後は思わず目から熱いものがこぼれ落ちた。それは、トーマスだけではなく、75ホールの激闘を支えたキャディのジム・マッケイ氏も同じだった。フィル・ミケルソンの全盛時を約25年に渡って支え続けたあの“ボーンズ”だ。
痩せていたことで、骨を意味するニックネームを持つマッケイ氏だが、ここ最近はキャディから離れテレビレポーターとして活躍していた。ところが、昨秋トーマスからキャディのオファーを受けて復帰。新コンビとして初のメジャー制覇を達成したことになる。
「ボーンズは自分を優勝争いの位置に留めおくという信じられない仕事をしてくれた。おかげでボクは自分のプレーに集中できたよ」と、トーマスも感謝のことばを送っていた。
最終日はグリーンが硬く、しかもピンポジションも厳しかったが、その中でベストスコアとなる67をマークできたのは、2人の強い信頼関係があったことも大きい。
また、上位進出を期待された日本勢は、松山英樹と星野陸也がともにトータル9オーバーの60位タイに終わった。松山はアイアンショットの距離感に悩み、星野は1、2番ホールで3オーバーとスタートダッシュに失敗したことが響いた。
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