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- 史上初! 勝みなみが4日間ノーボギー優勝 前回予選落ちの全英女子オープンへ弾みをつける
楽天スーパーレディース最終日、2位以下に9打差をつけてスタートした勝みなみが、1バーディー、ノーボギーの71とスコアを一つ伸ばし、通算22アンダー今季初優勝、ツアー通算6勝目を飾った。過去、4日間大会でノーボギー優勝を達成した選手はおらず、今回の勝が初めてとなる。
17番パー3、4メートルのパーパットが最大のピンチ!?
◆国内女子プロゴルフ<楽天スーパーレディース 7月28日~31日 東急グランドオークゴルフクラブ (兵庫県) 6616ヤード・パー72>
勝負ごとは下駄を履くまで分からないというが、ゴルフも例外ではない。いくら勝みなみが2位以下に9打差をつけているとはいえ、国内女子ツアーでは過去に11打差を逆転して優勝した例もある(02年廣済堂レディスで藤野オリエが達成)。
しかし、3日目までの勝のゴルフを見る限り、今回の9打差はほぼ安全圏であり、よほどの不運やミスをしなければ、そのまま逃げ切るだろうと多くの人が予想した。むしろ、どこまでスコアを伸ばすかに注目が集まったが、意外にも最終日はスコアを1打伸ばしただけに終わった。
2位に5打差をつけての逃げ切り優勝となったものの、優勝争いとは別のプレッシャーが勝を襲っていたという。
最終日、3番パー3で4メートルを沈めてこの日最初のバーディーを奪った勝。3日目までにアウトコースで15個のバーディーを量産していただけに、この日もバーディーラッシュを見せるのかと思いきや、パタリと勢いが止まってしまう。グリーンをとらえるものの、パットが決まらないのだ。気がつけば、アウトを1バーディーの35で終えていた。
「攻めたいんですけど、セーフティーにいきたい自分もいて、結局、体が攻める気持ちについていかなかったですね」と振り返る。
通算24アンダーという最多アンダー記録を塗り替えるにはバーディーが必要だが、その一方で4日間をノーボギーで終わらせたい気持ちもある。優勝する、しないというよりも、ゴルフの内容に対して自らプレッシャーをかけてしまったのだ。
3日目までは迷いなく打てていたパットもカップの手前でショートしていたのもそれが原因だった。インコースに入っても自分のゴルフに対する違和感は消えない。むしろ、ボギーを打ちたくないという気持ちはさらに強くなる。
そんな勝が迎えた最大のピンチが17番パー3だった。ノーボギーのゴルフは継続中だったが、グリーン左からのアプローチが約4メートルショート。難しいパーパットを残してしまったときだ。明らかにストレートに打てるラインではない。右に曲がる度合いを慎重に読んだ後、アドレスに入り、ゆっくりとストロークした。
「打った瞬間は自分が狙った方向に打ち出せたんですが、予想以上にボールが右へ切れ始め、これは外したなと」
1歩、2歩と後ずさりしてボールの行方を見守っていた勝だが、そこからボールがカップに向かってスルスルと伸びていき、真ん中から沈んでいく。思わず、この日一番の笑顔がこぼれた。
最終18番パー5でもパーに収め、史上初の4日間ノーボギーでの優勝を達成。「どちらかといえば、最多アンダー数のほうが達成しやすいと思っていただけに、できれば両方の記録を達成したかったんですけどね……」と残念そうな表情も浮かべていたが、素直に今回の優勝を喜んだ。
アドレスをオープンスタンスに変え、インサイドアウトのスイング軌道を徹底するようになってから、自分の思い通りにボールをコントロールできる確率が上がっているが、今回の優勝でさらに自信を深めた。
今週はAIG全英女子オープンに出場するが、同大会に初めて出場した20年は予選落ちを喫している。「今回はしっかりと予選通過して4日間回りたいですね」というものの、上位も十分期待したいところだ。
勝 みなみ(かつ・みなみ)
1998年7月1日生まれ、鹿児島県出身。渋野日向子、畑岡奈紗、原英莉花らツアーを席巻してる「黄金世代」の一人。2014年の「KKT杯バンテリンレディス」で、アマチュアながらJLPGAツアー史上最年少優勝(15歳293日)を達成し注目を集める。2017年のプロ入り後、翌年の「大王製紙エリエールレディスオープン」でプロ初優勝。以来、ツアー通算7勝。明治安田生命所属。
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