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- 19歳で国内メジャー初Vのルーキー・川崎春花が“勝てた”いくつかの要因とは?
国内メジャーの日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の最終日、予選会を突破して今大会に出場した19歳のルーキー・川崎春花が、1イーグル、6バーディーの猛チャージでツアー初優勝を飾った。19歳133日での優勝で、大会最年少記録を更新した。
19歳133日は大会最年少優勝
◆国内女子プロゴルフ<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 9月8 ~11日 城陽カントリー倶楽部(京都府) 6555ヤード・パー72>
19歳のルーキーが女子プロゴルフナンバーワンを決める日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯で、とんでもないことを成し遂げた。
川崎春花。昨年11月のプロテストに合格し、8月のステップ・アップ・ツアー「山陰ご縁むす美レディース」でプロ初優勝を遂げて迎えた今大会。最終日はトップと4打差の4位で迎えた。
前半8番パー4でイーグルを奪取すると、バックナインの12番から15番まで4連続バーディー。最終17番でもバーディーを奪うと、最終18番でも8メートルのバーディーパットを決めてガッツポーズが飛び出した。通算16アンダーで、優勝争いする後続の山下美夢有や森田遥の結果を待たず、逆転で優勝を決めた。
今大会は予選会からの出場で、レギュラーツアー初優勝をメジャーで決めるという偉業。さらに2014年の鈴木愛(20歳128日)を上回り、大会史上最年少となる19歳133日での優勝となった。
「本当に信じられません。私もびっくりしました」
地元京都で大勢のギャラリーの前で中継インタビューに立った川崎は開口一番、満面の笑顔でそう語った。今季はレギュラーツアー11試合目の出場で、ここまで予選落ちは6回とお世辞にも決して調子がいいとはいえない中で、つかんだ初優勝だった。
それだけに「まだ実感がありません」と、ふわふわした気持ちが残る。それでも「目の前の一打に集中していたので、緊張はなかったです」と大舞台でも物怖じしない、強心臓ぶりものぞかせる。
今大会では様々な力が彼女の優勝を後押しした。まずは地元京都で両親や知人がたくさん応援に駆けつけてくれたこと。
「地元での優勝はうれしいです。両親、中学の担任の先生、ジムのトレーナーさん、それからジュニアの頃から応援してくださった方たちとたくさんの人が応援してくれていました」。
そして、この城陽CCは昨年の最終プロテストで合格を果たした場所だったこともあり、「10回以上はラウンドした」のも優勝の原動力となった。
様々な人から支えられた初優勝
ほかにもまだある。キャディーを務めたのは高校ゴルフ部時代の2つ下の後輩・伊藤亜衣さん(大阪学院大高2年)。「先輩は特に緊張もしていなかったです。一緒に回れて楽しかったですし、歩きながらもお腹空いたね。暑いねとかそんな話ばかりしていました(笑)」と緊張をほぐすのもプラス要素となった。
実家から通える距離だったことも大きい。ゴルフをてほどきした父・太郎さんは「今は何を教えてもスルーされる」と笑いながらも、娘の優勝に笑顔がこぼれる。
そして料理と薬膳の講師を務めるという母・雅子さんが「自宅から通えるので、食事は十分に準備しました」と語る。娘の春花も「実家に帰ったらお母さんのお味噌汁が飲みたい」と笑顔を見せていた。
また、プロゴルファーの吉川なよ子(国内ツアー通算29勝)が3つ上の姉・風花を指導していた縁もあり、妹の春花も小学生の頃、4年ほどゴルフ指導を受けて腕を磨いた。高校時代は2020年全国高校ゴルフ選手権春季大会で優勝するなど、ゴルフ部で毎日取り組む練習の中で「本気でプロを目指すようになった」という。
あどけない表情で「メンタルは全然弱いんです」と語るが、最終日のプレーからはそんな雰囲気をみじんも感じさせないのも彼女の強さ。
大会史上最年少V、予選会からの優勝は“初”、地元優勝も今大会“初”、ルーキーイヤーでの選手権優勝も“初”。記録と記憶を残した女子ゴルフ界の新星は、「これからはたくさんの人に目標とされるプロになりたい」と目を輝かせた。
川崎春花(かわさき・はるか)
2003年5月1日生まれ、京都府出身。2021年11月のプロテストに合格したツアールーキー。2022年8月に行われたステップ・アップツアー「山陰ご縁むす美レディース」でツアー初優勝を飾る。同年9月には予選会からの出場となった「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」でレギュラーツアー初優勝を果たす。フリー。
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