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物議醸すマキロイの“格上げ大会”欠場 4億円をふいにした事情を明かさないPGAツアーの“不透明性”

2023.04.18 舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
ジョン・ラーム ローリー・マキロイ 砂場Talk(バンカートーク) 米国男子ツアー

先週行われたPGAツアーのRBCヘリテージ。年間12試合ある“格上げ大会”の1つだが、疲労困憊であるはずのマスターズチャンピオン、ジョン・ラームが出場して称賛を集めた一方で、ローリー・マキロイの欠場が物議を醸している。指定されたトッププレーヤーが格上げ大会を欠場できるのは例外として1試合が認められるのみであるにもかかわらず、マキロイは2試合目の欠場、しかも、格上げ大会創設の“言い出しっぺ”の1人でもあるからだ。

PGAツアーが透明性を欠くという指摘は以前から

ともにPGAツアーに背を向け、リブゴルフへと去ったダスティン・ジョンソン(左)とフィル・ミケルソン 写真:Getty Images
ともにPGAツアーに背を向け、リブゴルフへと去ったダスティン・ジョンソン(左)とフィル・ミケルソン 写真:Getty Images

 実を言えば、PGAツアーが透明性を欠いているという指摘は以前からある。もちろん、何もかもすべてがベールで覆い隠されているというわけではないのだが、選手に対するペナルティーの話になると、どうしてだかPGAツアーは公表を避け、真相は往々にして闇の中となる。

 プレー中に放送禁止用語を口走った選手がマナー違反で罰金を科されたとしても、その真偽のほどや罰金の金額が明かされることはない。スロープレーによる罰金も、それ以外のペナルティーも、PGAツアーから公表されることは、まずない。だからこそ巷では、さまざまな憶測が広がっていく。

 2014年の夏にダスティン・ジョンソンが突然ツアーから離れた際も、そうだった。

 あのときはジョンソン自身が「パーソナルチャレンジ」のために戦線離脱するという声明を出したが、その後、PGAツアーは「ジョンソンの声明に付け加えることは何もない。早期のカムバックを願う」と言うにとどめ、それ以上のことは何一つ明かさず、語らずじまいだった。

 なぜ、好調だったジョンソンが突然ツアーから離れる必要があったのか。誰もが抱くその疑問が謎のままにされたことで、巷では「ドラッグ?」「ドーピング?」「出場停止処分?」等々、さまざまな噂が飛び交った。

 ジョンソンは翌年2月にツアーに復帰すると、何ごともなかったかのように3月のWGCキャデラック選手権で復活優勝。その後も活躍を続け、全米オープン覇者(16年)、マスターズ覇者(20年)への道を歩んでいった。

 あのときPGAツアーによって「守られた」ジョンソンが、8年後の昨年、PGAツアーに背を向け、リブゴルフへ移籍する道を選んだ結末は、PGAツアーにとっては最大の皮肉と言っていい。

 あのときジョンソンにどんな事情や理由があり、彼とPGAツアーとの間でどんな会話や取り決めがなされたのかは、もはや両者以外には知る由もない。だが、「将来有望なDJだったからこそ、守られた」という見方は、きわめて多かった。

 そうした出来事を傍目にしてきたフィル・ミケルソンは「PGAツアーには透明性が欠如している」と指摘。それが、自分がリブゴルフへ移籍する理由の1つなのだと言っていた。リブゴルフへ移ったイアン・ポールターらの口からも「PGAツアーの不透明性」という言葉は、しばしば聞かれた。

 もしもPGAツアーの不透明な姿勢が、選手たちの目には「不公平性」と映り、それが彼らの不満を助長し、その結果、多くの選手がリブゴルフへ移籍したのだとすれば、PGAツアーはその点を謙虚に反省し、改めるべきである。

 もちろん、PGAツアーが「不透明ではない」「我々の姿勢は正しい」と信じるのであれば、それはそれで貫くべし。

 ただし、PGAツアーの姿勢が透明か、不透明かの議論はさておき、「なぜマキロイが4億円を棒に振ることを知っていながらも、自ら提唱した格上げ大会を2度も欠場したのか」という疑問の答えだけは、曖昧にしてほしくない。マキロイから伝えられた時点で、必ず明らかにしてほしい。

 そうでなければ、格上げ大会全試合出場に挑むトッププレーヤーたちも、格上げ大会に出たくても出られない下位選手たちも、格上げ大会が創設されたことで影響を受けたスポンサー企業も、みな納得できないだろう。

 そうなれば、PGAツアーの存在意義や存在価値が問われかねない。ここは、PGAツアーの正念場である。

文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。

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