タイガー・ウッズが受けた足首の手術はどんなもの? 痛みは和らぐが筋・腱への負担も!? 整形外科医の見解

タイガー・ウッズは4月19日(日本時間20日)、ニューヨークのHSSスポーツメディシン研究所で足首の手術を受けたことを公式ツイッターで明らかにしました。手術はマーティン・オマリー医師が執刀し、無事成功したと報じられています。どんな手術で、今後のプレーにはどう影響してくるのでしょうか。整形外科医に見解を聞きました。

関節をスクリューで固定して炎症が起こらないようにする

 タイガー・ウッズは4月19日(日本時間20日)、ニューヨークのHSSスポーツメディシン研究所で足首の手術を受けたことを公式ツイッターで明らかにしました。手術はマーティン・オマリー医師が執刀し、無事成功したと報じられています。

マスターズ第2ラウンドのプレー中に顔をゆがめるタイガー・ウッズ 写真:Getty Images
マスターズ第2ラウンドのプレー中に顔をゆがめるタイガー・ウッズ 写真:Getty Images

 ウッズは4月6日から、自身の今季2戦目となるマスターズに出場。予選を通過を果たし、決勝ラウンドで再び“タイガーチャージ”を見せてくれるのでは、と期待がかかりました。

 しかし、2日目から断続的に雨が降り続き、気温は20度も低下。自動車事故で負傷した右足をひきずるようにして歩く場面も見られました。最終日の朝には、サスペンデッドとなった第3ラウンドの残りホールを消化することなく、「足底筋膜炎が悪化した」というツイートとともに棄権したのです。

 ウッズは2021年2月、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外で起こした単独事故で重傷を負い、一時は選手生命が危ぶまれましたが、昨年のマスターズで奇跡のカムバックを果たしました。それが復帰1年でまた手術。世界中から多くの心配の声が上がっています。

 今回の手術は、いったいどのようなものだったのでしょうか。日本整形外科学会認定スポーツ医で、医学博士の後藤悠助氏(守山整形外科クリニック院長)に聞きました。

「21年の交通事故では、『距骨=きょこつ/カカトの骨のすぐ上にある骨』を粉砕骨折したと聞きます。診察したわけではないので確かなことは言えませんが、それによって『距骨下関節=距骨と踵骨(しょうこつ/カカトの骨)からなる関節』に変形が生じており、慢性的な関節炎を起こしている状態と推察します」

「公式ツイッターで発表された“subtalar fusion procedure”というのは、この『距骨下関節』をスクリューで固定して動かないようにしてしまう手術のことです。この手術を行ない『距骨下関節』を固定することによって関節炎が起こらないようにし、動作時の痛みを改善させることが可能です」

 ゴルフのラウンドでは1日に10キロ以上歩きます。そのうえ以前より飛距離が落ちたとはいえ、あれだけのヘッドスピードでクラブを振り抜くのですから土台となる足首にかかる負担は相当だったはずです。

関節を固定するため、その部分はほぼ動かない状態に

 関節炎を緩和させて痛みがなくなれば、タイガーはまた力強いスイングやプレーを見せてくれるのでしょうか。また、マスターズ棄権時の「足底筋膜炎が悪化した」ことと今回のこととは、関連があるのでしょうか。

 後藤医師の見解は次のようなものです。

「関連はあると考えます。今後についてですが、基本的には手術で1つの関節を固定してしまいますので、その部分はほぼ動かない状態になります。したがって、その周囲の関節や筋・腱に負荷がかかることになります。足底腱膜炎もしくはアキレス腱炎などを併発する可能性は十分にあると考えられます。トップアスリートですので、今後も何らかの足のトラブルは起こりうるでしょう」

 スクリューで固定したことによって関節炎は緩和される一方、周囲の関節や筋・腱にはより負荷がかかりがちだというのです。

 ウッズにとっては一難去ってまた一難。復帰は今のところ未定ではあるものの、近いうちリハビリを開始するものと見られています。

 今季のメジャーは5月18日から全米プロ、6月15日から全米オープン、7月20日から全英オープンの、あと3つ。これまでPGAツアー最多タイの82勝、トリプルグランドスラムを達成したウッズですが、優勝に対するモチベーションはまだ燃え続けているはずです。リハビリを乗り越え、いずれかのメジャーでまた観客を熱狂させてもらいたいものです。

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マスターズ第2ラウンドのプレー中に顔をゆがめるタイガー・ウッズ 写真:Getty Images

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