史上最速&最年少での生涯獲得賞金5億円突破
今週の国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」は賞金総額3億円、優勝賞金5400万円を誇る大会である。この額はツアーナンバー1。超高額賞金大会だからこその賞金に関する記録更新の楽しみが広がる。
最も楽しみなのが山下美夢有の史上最速、最年少での生涯獲得賞金5億円突破だ。
山下の生涯獲得賞金は現在4億5879万1681円である。優勝して5400万円を加えれば5億円を超えていく(2位だと賞金は2640万円なので届かない)。

女子ツアーで一般的な賞金額は総額1億円、優勝1800万円といったところだ。今週がこの規模の大会ならば優勝しても5億円にはまったく届かない。一般的な大会の3倍もの超高額賞金大会だからこそスポットライトが当たった記録なのだ。
生涯獲得賞金5億円はこれまで33人の選手が達成している。最速記録(所要試合数)はアンソンジュの108試合で最年少記録は横峯さくらの23歳281日である。
山下は「アース・モンダミンカップ」がプロ転向後99試合目で、大会最終日の年齢が21歳327日。2つの記録を大幅に更新するチャンスなのだ。
熱心なゴルフファンなら、つい先日、山下が史上最年少で生涯獲得賞金4億円を突破したというニュースを覚えているだろう。4週間前の「リゾートトラストレディス」で優勝した時のことである。21歳299日で稲見萌寧が保持していた22歳332日を塗り替えた。
ちなみに所要試合数では95試合目で歴代4位の記録だった。
「リゾートトラストレディス」の後も、「リシャール・ミル ヨネックスレディス」3位、「宮里藍サントリーレディス」2位と上位に入って賞金を積み重ね、先週の「ニチレイレディス」を制して優勝賞金1800万円を追加。今週の「アース・モンダミンカップ」での5億円突破のチャンスをつくったわけだ。
それにしても、このところの山下の充実ぶりはすごい。先月の「RKB×三井松島レディス」から6試合連続で3位以内と毎週優勝争いに加わっており、この期間で最も悪かったスコアが70なのである。
悪天候でスケジュールが大幅に狂った影響で9ホールに短縮された「リシャール・ミル ヨネックスレディス」の最終ラウンド(山下のスコアは34)を除けば現在14ラウンド連続して60台でプレーしている。この6試合の合計スコアは実に93アンダー。恐ろしいほどのハイレベルなゴルフを続けているのだ。
今の山下なら今週も上位でプレーする可能性は高いだろう。あっさりと大記録を打ち立てても不思議ではない。
申ジエも生涯獲得賞金2位上昇への期待がかかる
もうひとつ、生涯獲得賞金に関する記録を紹介したい。注目は現在約12億4138万円で生涯獲得賞金ランキング4位の申ジエだ。
1位の不動裕理は約13億7029万円で頭ひとつ抜けているから追いつくのはまだ時間がかかるが、勝てば2位の全美貞(約12億7644万円)、3位の李知姫(約12億4729万円)を一気に抜き去る可能性がある(全も今週エントリーしているから優勝してなおかつ全の順位次第)。
申は4月に35歳となり、20代前半の若手が主軸のツアーでは超ベテランの域に達しているが、今季も1勝を挙げてメルセデス・ランキングでは山下、岩井千怜に続く3位とさすが元世界ランキング1位の存在感を示している。「アース・モンダミンカップ」は2019年に制しており、こちらもチャンスは十分にありそうだ。