最近は男子も女子もキャディーバッグの重さは変わらない
トーナメントでは淡々と仕事をこなしているように見えるプロキャディーですが、仕事をスムーズに行うためにも準備に怠りはありません。幸い、プロ仕様のキャディーバッグにはポケットがたくさん装備されていることもあり、キャディーが自分の荷物を入れる余裕は多少あります。
ただし、私物を入れればそれだけバッグが重くなるだけに、あえて必要最小限のものしか入れないようです。
ツアープロキャディーの梅原敦氏によれば、自分にとって必要なもの第1位はボールやクラブなどを拭くタオル、第2位はキャディーバッグに取り付けるショルダーベルトだといいます。
「タオルに関しては説明不要だと思います。ショルダーベルトはみんな最低でも1本は持っていますね。これがないとキャディーバッグを担ぐのはかなり苦しいです」
本来のショルダーベルトの他にもう1本装着することによって、両肩に対して均等に重さが加わるので、かなり楽になるそうです。確かに、ショルダーベルト1本だと肩への負担も相当なものになります。
面白いのは、第3位に挙げているリップクリームです。我々が思っている以上にくちびるが乾きやすいといいます。
「ヒドイと乾きすぎて血が出たりすることもありますからね。リップクリームはマストというキャディーは多いと思います」。キャディーのくちびるが乾くということは、当然選手のくちびるも乾くらしく、選手もリップクリームはマストアイテムになります。
「選手は高価なリップクリームを持ち歩いているので、ボクらのものと間違えて使うことはまずありません」とのこと。
選手のために用意するものもあり、その筆頭は水などのドリンク類です。夏場だと自分の分も含めて、ペットボトルを4本ぐらいキャディーバッグの中に入れるといいます。ひと昔前は、男子プロのキャディーバッグは重く、女子のバッグは軽いという認識でしたが、最近は女子もお菓子などの食べ物を入れたり、日焼け止めやちょっとした化粧品を入れたりもするので、男子と重さは変わらなくなってきています。どちらも20キロぐらいの重さというだけに、かなりの重労働なのは間違いありません。
キャディーバッグではなく、自分のポケットの中に入れておくのが、グリーンフォークとゴルフ場に置いてあるボールマーカーです。
「グリーン上で時間があるときは、自分が担いでいる選手や前の組が気づかずに残したボールマークを直すことは多いですね。あと、選手が大きなマーカーしか持っていないときのため、小さなグリーン上に刺すタイプのマーカーは持ち歩いています」
意外に若い選手の場合、持っていないことが多いので、自然と用意するようになったといいます。
キャディーによって必須アイテムは変わってきますが、梅原氏が先ほど挙げたトップ3は多くのキャディーに共通するのは確かなようです。