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市民は6ホール1340円、18歳未満と70歳以上は840円! 愛された市営ゴルフ場閉鎖のなぜ?/シリーズ『ゴルフ場減少時代』
1997年に開場し市民に愛された「高崎市民ゴルフ場」が閉鎖され、総合運動施設へと転用されることが決まりました。日本のゴルフがこれからも持続可能な娯楽・産業であるためには誰にでもアクセスしやすい身近なパブリックコースは必須。まさにそんなコースの閉鎖を残念がる声は絶えません。
アメリカンスタイルのパブリックに生まれ変わった好例
さらに小山氏は、こう続けます。「いい例があるじゃないですか。茅ケ崎とか、越谷とか」。

1957年開場のGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは、かつて商業施設への転用話が浮上し存続の危機に直面したことがありました。しかし、クラスター火災の懸念を持つ地域の住民が同コースを広域避難場所として存続させることを訴え、署名運動などを展開したことで流れが変わりました。現在、クラブハウス2階のおしゃれなカフェは一般市民に開放され、ペット連れでの食事も可能。コースでは地元の小学生の卒業イベントを開催するなど、地域に密着したゴルフ場として生まれ変わっています。
越谷もかつては第1回(1968年)から3回連続で日本女子オープンを開催したTBS越谷ゴルフクラブとしてオールドファンにはおなじみのコースでした。しかし今はアメリカンテイストのKOSHIGAYA GOLF CLUBとしてイメージチェンジ。スループレーが人気を博し、サイクリングロードを走ってきた一般利用者などがレストランやシャワーを利用するまでに地域の人気を集めています。
小山氏は前出の自著でパブリックコースの必要性を次のように力説しています。
<底辺を広げようという意味だったらパブリックコースがないと日本は苦しい。アメリカは約2万コースのうちメンバーが10%で、それ以外はパブリックだからゴルフは始めやすいスポーツ。それに比べて日本は、高度成長期にサラリーマンだった恵まれた時代の人たちが始めたから、今のままだと確実にゴルフをやる人は減っていく。だから、圧倒的に少ない日本のパブリックコースを増やしていくことが大事なんですよ。>
団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」は目前に迫っています。年金生活となりゴルフ仲間も1人2人と減り、運転免許証も返納することで、通い慣れたゴルフ場から足が遠のく高齢者は確実に増えます。そうした中、安くて気軽に行けるパブリックコースが必要でしょう。
小山氏はこう提唱します。
「ゴルフ場がダメになったからソーラー発電所に変えるというのではなく、そうしたコースを自治体で買い取ってパブリックコースにすることも必要でしょうね。欧米では市営や州営のコースが当たり前にあるから、その形を手本にすればいいんです」
以前、日本ゴルフジャーナリスト協会が大学生のビギナーたちにインタビューしたとき、ゴルフへのハードルと捉えている要素が「遠くて、お金と時間がかかって、ドレスコードがうるさいこと」だという答えが返ってきたことがあります。ぶらりと来て6ホール回って帰る高崎市民でのゴルフは時短にもなって、お財布にも優しい。こうして見ると、このゴルフ場がまさにこれからのゴルファー像にマッチしていることが分かります。
少し視点を変えれば、存続の可能性は最初から広がっていたはず。
「(名門の)旧軽井沢ゴルフクラブ(長野県)だって6ホール(単位)ですよ。アウト6ホール、イン6ホールです。12ホールしかないんです。今から流行るスタイルなのに、やめちゃうなんてもったいない。指定管理者制度に自分で立候補したいくらいです」
日本のゴルフ界が抱える多くの課題をクリアできるのが、高崎市民のような安くて短時間で楽しめる公営ゴルフ場。たった一度の冠水でせっかく育ったゴルファーを切り捨ててしまって、本当にいいのでしょうか。3ホールでも、6ホールでも、残す努力はすべきであるように思います。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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