現役女子プロも通っているという“プリズムゴルフ”ってなんだ!? 話題の施設で実際に体験してみた

　現役女子プロも通っている「プリズムゴルフ」の提唱者は高田洋平さん。米国の理学療法学で最も歴史があるニューヨークコロンビア大学で理学療法博士号を取得。ニューヨークや東京で理学療法クリニックを開院しています。

　高田さんはゴルファーでもあり、ベストスコアは68。USGAのハンディキャップがマイナス0.7までいったスゴ腕ゴルファーです。米国ではクラブチャンピオン大会やスクラッチ杯で優勝したこともあるそうです。プロゴルファーからの信頼も厚く、今シーズンは「プリズムゴルフ」がチームとして海外、国内を現役で活躍する女子プロも「プリズムゴルフ」に通っています。

　米国在住の高田さんに代わり、日本のプリズムゴルフの代表兼フィジカルトレーナーでもある新畑奈奈（あらはた・なな）さんに「プリズムゴルフ」のメソッドを聞いてみました。

「実はプリズムゴルフには『こうやって打ってください』『これが正しいスイングです』という決まったメソッドはありません。というのも、一人ひとりの体に合わせた動き、最適なスイングを提唱していくのがプリズムゴルフの考え方です。テーマは“一生健康、一生プレー”です」

「プリズムゴルフではプロツアーに帯同しているコーチやトレーナーも在籍しています。プロが実践しているプログラムやトレーニングをアマチュアの方にもやってもらうことで効率的にうまくなる道を提案しています」

　今回は「ゴルフのニュース」スタッフが「PRIISM アセスメント（カウンセリング）」75分コースを体験してみました。問診では体の状態やゴルフの悩みを聞かれたので、約1年前に右ヒジをケガしたことや左ヒザを負傷したこと。また体重増加によって両ヒザの軟骨がすり減っているという話をしました。

「そうなんですね。アセスメントの結果によっては、スイングコーチではなく、メディカルの担当者に診てもらうこともできます」（新畑）

　約20分の問診を終えると、アセスメントがスタート。呼吸の仕方からはじまり、肩の内旋・外旋、股関節の可動域など全部で17種類の項目を約30分かけてチェックしました。

　どういったところに注目しながらチェックしていたのでしょうか。

「呼吸では胸郭が動いているのか、肩で呼吸しているのかを確認しました。また体の特性として柔軟性や連動性、バランスや重心をキープできているのかどうかを中心にチェックしました」（新畑）

　17項目の結果は75点満点中30点。全体的にはどういうタイプだったのでしょうか。

「手首の動きはすごく器用だし、上半身はうまく使えています。でも、下半身になると動きに制限があって、上半身と下半身の連動がうまくできていなかったです」

「アセスメントの結果から言うと、次回はメディカルの担当者に体の状態を調べてもらったほうがいいと思います。ただ、その前に今日は簡単なトレーニングをいくつかやってみましょう」（新畑）

　まずはヒザ立ちの姿勢で両手を前について猫のような体勢から背中を丸めていく動きを教えてもらいました。

「呼吸のチェックをしたときに気になったのが、胸郭が動いていないので、背中が丸くなっていなかったことです。もっと背中を柔軟に使えるようになると体の動きがスムーズになります」（新畑）

　その後も「ローテックス」という機材を使った内旋・外旋のストレッチや、長いゴムチューブを使ってお尻を使ったトレーニングを行いました。その後実際にスイングをして動きを見てもらいました。

「トレーニング前は股関節がうまく使えず、左ヒザでスイングが止まっていました。左ヒザへの負担も大きくて、フォローが窮屈でしたね。最後のトレーニングで左サイドを内旋する感覚をつかんでもらったことでフォローがスピーディーになったと思います」

　実際に7番アイアンを打ってみると、左サイドがスムーズに動くことによって、いつもよりヘッドスピードが上がっていました。

　最後に新畑さんは以下のように話してくれました。

「アセスメントの点数は75点中30点でしたけど、その点数を上げていくことが目的ではありません。30点の良かった部分を生かしたスイングを目指しながら、使えていなかった部分を活用できるようにしていく方法もあります。私たちが注意していることは無理なことをしてケガをさせないこと。一番の目的は最初にいった“一生健康、一生プレー”です」