- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 韓国は“ツアーを輸出”、日本は“選手を輸出” 女子ゴルフ日韓の戦略がここまで違う理由【韓国女子ゴルフの現在地】
タイで開幕する韓国女子ツアーと、米女子ツアーへ過去最多の選手を送り出す日本。日韓は異なる手法で“世界で勝つ構造”づくりを加速させている。女子ゴルフ勢力図の裏側を探る。
日本では話題になっていないが、実は今季の韓国女子(KLPGA)ツアーは3月、タイで開幕戦を迎える。舞台はチョンブリの名門・アマタスプリングCCで、新規大会名は「リジュラン・チャンピオンシップ」。韓国の美容医療ブランドを展開する「パマリサーチ」が、レギュラーツアー開幕戦のタイトルスポンサーを務める。
国内ツアーとして成熟を遂げた韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)が、なぜいま海外で新シーズンを始めるのか。そこには次のフェーズへ進もうとする明確な意思が見える。(文・キム・ミョンウ)
タイ開幕戦から狙うKLPGAツアーの「世界化」

韓国女子ツアーのタイでの開幕戦は、単なる“海外開催”という話題にとどまらない。韓国企業が単独スポンサーとなって海外で大会を開催するのは初めてであり、現地企業などとの「共催」ではない点も特徴的だ。
韓国メディアは「パマリサーチとKLPGAには共通の目標がある。それは世界化だ」と報じている。
パマリサーチは主力ブランド「リジュラン」を軸に30カ国以上へ輸出を広げ、2026年には西欧22カ国への同時進出も視野に入れるグローバル企業だ。その世界戦略とKLPGAの方向性が重なった、という構図である。
同社のチョン・サンス会長は「選手たちが国内にとどまらず、海外でも輝ける舞台を用意したかった。努力が正当に報われる、最も誠実なスポーツ」と語り、企業哲学と重ね合わせた。またKLPGA側にとっても、グローバルブランドとともに新シーズンを迎えることは「ツアーの価値を国外へ拡張する象徴的な一歩」と位置づけられている。
「世界最高のツアーへ」韓国はトップ交代で構造を転換
こうした動きはスポンサー主導の思いつきではない。KLPGAは2025年に協会トップが交代し、第15代会長にキム・サンヨル氏が就任した。キム氏はソウル新聞会長も務め、2017年から2020年までKLPGA会長を務めた経歴を持つ。今回が2度目の就任だ。
就任演説でキム会長は「アジアを越え、世界最高のツアーへ」と宣言。掲げた柱は「会員の福祉向上」「ツアーの質的成長」「グローバル戦略の加速」の3点である。試合運営の国際基準化、競技スピードの改善、海外団体やグローバルスポンサーとの連携強化などを打ち出している。
KLPGAは量の拡大ではなく、“世界基準に耐えるツアー”への再設計に踏み出した。国内成功の副作用として指摘されてきた「ぬるさ」や「内向き志向」を、運営側から是正しようとする意思を明確にした形だ。
日本は「選手が外へ」、韓国は「ツアーが外へ」
対照的なのが日本のアプローチである。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)はツアーそのものを海外へ広げるのではなく、選手を世界へ送り出す施策を積み重ねてきた。4日間大会の段階的増加や国内メジャーの難度設定、さらにQT制度による競争原理の明確化などを通じ、「国内で勝てば世界で戦える」基準をツアー全体で共有してきた。
そして2026年シーズン、米女子ツアー(LPGA)に参戦する日本勢は過去最多の15人に達する見通しだ。国内ツアーで技術を磨いてきた積み重ねが、若い世代の即戦力化につながっている。
日本は「選手が外へ」、韓国は「ツアーが外へ」と向かう。方法は異なるが、日韓両国が「世界で勝つ構造」を目指して動いている点は共通している。
世界の女子プロゴルファーの実力が拮抗するいま、勝敗や国籍だけで語る段階は過ぎつつある。問われているのは、どの国が勝ったかではなく、「世界で勝つための仕組みをどう設計するか」だろう。
タイで始まる韓国ツアーの新シーズンを契機に、さらなるグローバル化を図るKLPGA。一方で国内ツアーの施策を強化し続け、世界へ選手を送り出すJLPGA。両ツアーの成長と行方が、今後の女子ゴルフ界の勢力図を左右していくことになりそうだ。
キム・ミョンウ
1977年生まれ、大阪府出身の在日コリアン3世。新聞記者として社会・スポーツ取材など幅広い分野を担当。その後、編集プロダクションを経てフリーに転身。2010年、サッカー北朝鮮代表の南アフリカW杯出場決定後、日本メディアとして初めて平壌で代表チームを取材し、『Number』に寄稿。2011年から女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子プロとも親交を深める。現在は女子ゴルフとサッカー、アスリートインタビューなどを中心に雑誌やWEB媒体に寄稿。著書に「イ・ボミ 愛される力」(光文社)。
最新の記事
pick up
-
長い間、“激スピン”が続く! 本間ゴルフの新作「HONMA WEDGE」が変える「選びやすさ」という価値<PR>
-
西村優菜と共同開発! 理想の高弾道とスピンを実現した「QUANTUM MINI SPINNER」がついに発売!<PR>
-
「上達志向ゴルファーに最適解!」 “飛んで止まる”テーラーメイドのNew「ツアーレスポンス ストライプ」登場<PR>
-
ゴルフ初心者でも参加OK!三浦桃香にも会えるコンペ開催「GOLF FUN FESTA 2026」by CURUCURU&ゴルフのニュース ゴルフコンペ参加者募集中
-
累計販売本数は1000万本を突破“日本シャフト”あなたのアイアンを覚醒させる『選ばれ続けるシャフト』
ranking











